評論家の宇野常寛さんが2月2日に開催されたイベント「ホリエモン万博」で、ユーチューバー「カジサック」としても活動しているお笑い芸人・キングコングの梶原雄太さんに失礼な絡みをされてイベントを途中退席するという騒動があった。
騒動の経緯・内容とこれまでの経過をまとめた。
宇野常寛のツイート18連投
まずイベント後、2月5日の朝に宇野常寛さんはツイートを18連投して騒動の経緯と、なぜそれをツイートするに至ったかを説明している。既にこの時点で騒動自体は有名になっていたらしい。
最初に謝ります。
朝からごめんなさい。これから、あまり気持ちのよくない話題を連投します。
内容は(みんながウンザリしてること、知っていますが)カジサックの件です。
もう終わりにしたかったんですけど、申し訳ありません。書かせてください。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
僕の告発を根にもったカジサックとそのファンが、昨晩イベント当日の動画を自分たちに有利なように編集して拡散をはじめました。
そのことで、僕の側も悪いと印象操作することが狙いだと思います。
動画は前後を切りとられ、まるで僕が梶原のノリを喜んでいるかのような印象に編集されています。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
なので本当はもう終わりにしたかったし、僕にとっても不愉快な記憶を掘り起こすことだけど当日のことをある程度詳しく書くことにしました。
連投になりますが、お付き合いください。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
カジサックはあの日、冒頭から僕らのチームを見るなり「弱そうだ」とバカにしてきた。そりゃ僕はお世辞にも運動が得意には見えないだろうが…
僕はなんとか場を保たせながら、これは釘を刺さないとと考えて「お前みたいな自分より弱いヤツをみつけた途端にマウントしたがる奴は大嫌いだ」と告げた。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
しかし、梶原の言動は少しも変わらなかった。僕も前半は少しでも楽しもうと、梶原のノリに合わせようとした。
流された動画はこの部分だ。
こうして悪用されるなら、少しでも合わせるべきではなかったと思う。
もちろん僕は梶原のように身体的な特徴をイジったり、人格否定したりはしなかった。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
そして3種目の縄跳びのとき、僕はぜんぜん飛べなかった。1回はメガネが縄跳びに引っかかった。笑われたけど、この時点では特に不快ではなかった。
けれど、梶原はここぞとばかりに僕をバカにしてきた。僕の失敗をディフォルメしたジェスチャーでモノマネし、こき下ろした。
一線超えたな、と思った。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
僕は冒頭から繰り返し梶原の「イジリ」的な言動が嫌だと指摘したこと、そしてこういう言動がこの国のイジメ文化の温床なのだと告げた。
梶原は慌てて形式的に謝罪したが、すぐに「みんなが面白くなるために(宇野にイジリを)した」と開き直った。
もうこれは直らない。帰るしかないなと思った。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
梶原のいう「みんな」になぜか僕らは入っていなかった。僕はかれに生贄に選ばれて、嘲笑されるためだけに、その場にいることを要求されていた。
ここで、「空気を読んで」梶原主役のバラエティゴッコのいじられ役を甘受することは「正しい」ことなんだろうか。
そんなわけはない、と思った。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
僕らには、人間には、尊重されない場から離脱する権利がある。失礼な相手がいたら、抗議で帰る権利がある。
「場の空気」のために、マイノリティだけが我慢しなきゃいけないなんて間違ってる。「芸人」なら、バラエティならイジメが許されるなんて間違ってる。
僕は帰り、そう発信すべきだと思った。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
イベントのスタッフは真っ青になっていた。申し訳ないなと思ったが、彼らがずっと梶原の言動を黙認していたことを思い出すと、心が冷えた。
オファー時から失礼(企画変更、梶原の急遽出演などすべて事後連絡だった)なことが多かったので、余計にそう感じた。引き止めを一蹴して振り払い、帰った。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
その後はツイートした通り。
タクシーを捕まえて乗った瞬間に友人から連絡があり、急遽別件の仕事の打ち合わせに行った。
打ち合わせは充実していて、本当に帰ってよかったと思った。このことは、しっかり読者に伝えようと思った。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
もちろん、主催側に僕のギャラは全額返金することはその場で伝えた。
少し経って思い当たり、僕目当てで来た人にはチケット代も、僕のギャラから返金することにした。足りない分は、僕が自腹で出そうと決めた。
それが、仕事を降りる権利を行使した人間の責任だと考えたからだ。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
改めて、声を大にして言いたい。
誰かを貶めることでその「場」を都合よくまとめようとする奴がいる場所からは、今すぐに逃げた方がいい。
彼らのいう「みんな」に君はカウントされていない。「空気を読んで」その場に残っても、イジメが加速するだけ。次の、そのまた次の犠牲者を生むだけだ。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
そしていま、僕は告発を根に持ったカジサックとそのファンから、執拗な攻撃を受けている。
梶原に都合よい箇所だけを切り取った動画をアップされ、当日の経緯も脚色された上に嬉々として「縄跳びくらいできるようになれ」と罵倒を受けている。
やり方が、本当に汚いと思う。 pic.twitter.com/YFzXzk7glx
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
本当はこのけんはそろそろ終わりにしようと思ってた。
だけど、梶原サイドからの攻撃が加速してきたので、改めて経緯を記しました。
この年齢になって、自分が受けた嫌がらせのことをみんなに書いて紹介するのは正直、しんどいです。
けれど、ここでハメられるわけにはいかないので書くことにした。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
以上です。細かいイジリはまだありましたが、省きます。
朝から気持ちのいい話題ではなかったと思います。ごめんなさい。
けれど、バラエティっぽいイジメに対して、もっと堂々とNoが言える世の中になればいいと思ってやったことです。
ご理解いただけると嬉しいです。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
この人が僕に不利に編集した動画をアップした人です。
当日いたカジサックのファンらしく僕をずっと罵倒しています。僕が君たちの望み通り、惨めな役を引き受けずに反撃したことがそんなに気にくわないか?
僕は縄跳びはできないけど、お前達みたいな卑劣なことは絶対にしない。 https://t.co/oX8fwlB1X2
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
朝からお目汚ししました。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月5日
宇野常寛のツイートの概要
宇野氏のツイート内容をまとめるとこのようになる。
- 梶原に失礼な絡みをされ、「お前みたいにすぐマウントをする奴は嫌いだ」など、そうしたテレビバラエティのノリは不快だというシグナルを送った。
- それでも梶原はそうしたイジリを続け、ジェスチャーで縄跳びの失敗を真似をしてきた時に限界になって、はっきりと「そうしたイジリはイジメの文化的温床になっている」と拒絶の意向を伝えた。
- 梶原は一度は謝ったが、「みんなのため」と言い訳して開き直った。そのために、もう帰るしかないと決意した。
- イベントのギャラは返金し、自分を目当てでイベントに来ている人に対する返金もするつもりである。
- なぜ経緯をツイッターではっきり説明したかといえば、イベント後から執拗にカジサック(キンコン梶原)のファンから攻撃されており、梶原に都合のいいように編集された動画が出回っているために反論せざるえなくなった。
イベント動画
宇野氏のツイートにこのような文言があった。
僕の告発を根にもったカジサックとそのファンが、昨晩イベント当日の動画を自分たちに有利なように編集して拡散をはじめました。
そのことで、僕の側も悪いと印象操作することが狙いだと思います。
動画は前後を切りとられ、まるで僕が梶原のノリを喜んでいるかのような印象に編集されています。
そしてこれが、宇野氏のツイートの中で「梶原に都合よい箇所だけを切り取った動画」としているものである。
宇野常寛さん一種目に
ここは戦場だったら蜂の巣だ!
チャンスがあるだけ有難く思えって!!ずっとお互いに言葉攻めしてたやん。
宇野さん。このノリからして大丈夫と思うやん。
キレるとか半端ないって😩#宇野常寛 #カジサック pic.twitter.com/oKfJuLCp1A
— kosei.jp (@happystar0422) 2019年2月5日
たしかにここだけ見たら、通常のバラエティ番組のひと下りを見せられているだけに感じる。それどころか宇野氏の立振る舞いにバラエティ的に「うまいな」という印象すら覚える。聴衆からも宇野氏の一言で笑い声が上がっているようだ。
しかし宇野氏によればこれは「僕も前半は少しでも楽しもうと、梶原のノリに合わせようとした」ところだという。
また今のところネット上に出回っている動画は45~48秒ほどのもので、無編集で長尺のものはないようだ。
カジサック(キンコン梶原)がリツイート
そしてこの「宇野常寛さん一種目にここは戦場だったら蜂の巣だ! チャンスがあるだけ有難く思えって!! ずっとお互いに言葉攻めしてたやん。宇野さん。このノリからして大丈夫と思うやん。キレるとか半端ないって」というカジサック(梶原)擁護のツイートを、カジサック本人がリツイートしたことは、また話題になった。
梶原はこの件に関して、ツイッター上では自身のコメントをつぶやいていないが、リツイートしたということは、この意見に賛同しているものと見られる。
引用:ライブドアニュース
この梶原のリツイートのリプライには、双方の支持者やヤジウマが「やはり宇野が悪い」「いや、この(梶原に都合の良いところを切り取った)動画をリツイートする梶原はどうかしている」という意見が入り乱れることになった。
ええ?マジですか、これ。
宇野さんの煽り面白いし、これに煽り返したら駄目だって誰が思うの?
もしかして、宇野さんの煽りは煽りやめろっていう抗議だったつもり?いやまさかね。— すじ (@suzi166) 2019年2月5日
これをRTする梶原の神経疑う。
それと梶原を擁護する奴らのクズっぷりも明らかに。
実際の事は梶原側が映像出てないので推論だが、この動画だけだと自分の都合のいいように切り取ったと言われても仕方ない。
だからカジサック登録解除した。— マフティー·ナビーユ·エリン (@hanaasakuraanna) 2019年2月6日
もしこれに反論する人がいるなら動画の全てを出すのが皆の異論のない所でしょ?
これだけ見て宇野さんがどうとか言ってる奴らは正直人間やめなさい。カジサックは芸人動画、家族動画は素晴らしいから本当に残念。
やっぱりカジサックは二流いや三流以下の芸人だったね。#カジサック #宇野常寛— マフティー·ナビーユ·エリン (@hanaasakuraanna) 2019年2月6日
編集済みのものではなく、きちんと動画の一部始終を見たいよね。でないと判断できないのでは?
— Pain (@Migratory071) 2019年2月6日
なぜリツイートしてしまったのか…残念。
お笑い芸人の先輩方にも見放されますよ。。。
別のいじめ事件のニュースでの竹山さんの発言です。
「いじり というのはいじられた側が 【美味しいと思っていること】もし、いじられた側がすべった場合、いじった側がきちんと回収(対応)できること。」— 💚ニャン太ma❤💙 (@nyantacchi) 2019年2月6日
宇野常寛とキングコング梶原の騒動の内容とは?まとめ
ネット上で色んな情報に触れると、結局何が正しいのか分からなくなる。しかしキンコンの梶原には炎上の前科が何回かあるから、そのことも加味すると梶原の方が不利に見える。
たぶん梶原はテレビバラエテイでの絡みを自明だと思い過ぎて、相手がどこまで受け入れてくれるかを考えなかったのだろう。
またこれが評論家の宇野氏ではなく、バラエティのプロの、梶原と同じお笑い芸人だったらもう少し判断は微妙だったかもしれない。
ただし宇野氏の方も、例の動画を見る限り、いわゆる「地雷がどこに埋まってるか分かりづらい人」である可能性もあると思う。
宇野常寛さん!!
この会場にいたけどブチ切れてスタッフの女性を泣かしたのを俺は見たぞ!!怒りの沸点過剰に低すぎませんか?https://t.co/kuFFfB9jD1 pic.twitter.com/C94yhXiD81
— kosei.jp (@happystar0422) 2019年2月4日
事件が起きたのは
3種目目が終わった後。大長跳びでチームみんなが飛んでたのに宇野さんだけ1回も跳べなかったら、それに対してカジサックがツッコミを入れてた。
自分の思い通りにならず、駄々をこねる。
なんでキレてるの?本気でキレてるの?って雰囲気だった。
ステージ裏でスタッフ泣かす。
— kosei.jp (@happystar0422) 2019年2月5日
結局、絶対的・一方的に「100%こちらが悪い」と断定するのは、今のところ難しく感じる。もっとも、この種の問題などいつもそうしたものなのかもしれないが。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。