Yahoo!ニュースや各種メディアで、トランスジェンダーのモカさんのことが話題になっています。モカさんは「迷いうさこ」というペンネームで漫画も出版しているそうです。
このトランスジェンダーのモカさんはいったいどのような人なのか、調べてまとめてみました。
モカ(迷いうさこ)のプロフィール
私は何者なんだろうなー?
良く聞かれる質問なんだけど。なりたい象徴とかもなくて。文化人も芸能も目指してない、活動家とは思わないし、仕事も生活できればいい。男でも女でもどっちでもいいし。自然体で好きなことして、日常を過ごせればいいなぁ。うん、ずっと何者でもないモカでいいや。 pic.twitter.com/TbzZoJ2YU2— モカ🐇 12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと✨ (@____usaco) 2019年4月18日
モカさんの本名は亀井有希さん。トランスジェンダーの元男性で、既に性別適合手術を受けて肉体と戸籍上両方で女性になっています。
しかし当人は手術後にかえって性別へのこだわりが消え、「男性とも女性ともお付き合いできるようになった」そうです。
モカ(迷いうさこ)の経歴
各種メディアの情報を総合して簡単に経歴を説明します。
トランスジェンダーとして
モカさんは3歳ごろから漠然と女性になりたいという思いがありました。
第二次性徴期になり、中学のプールでは他の男子のゴツゴツした体つきを見て「同じようになりたくない」と嫌悪感を覚えます。
そして中学を卒業する15歳のころから女性ホルモンの摂取を始めました。
この時、3人兄弟の長男だったモカさんは弟の大輝さん(次男)に「ホルモンの摂取をしている」と打ち明けます。
しかし当時のモカさんはヤンキー風だったらしく、弟の大輝さんは「流行りなのか」「ヤンキー系からビジュアル系になったのか」と思い、「女性ホルモンを摂取している」とは思わなかったそうです。
モカさんは同じころ、多くの性同一性障害者がそうであるように、テレビドラマ『金八先生』のトランスジェンダーの女性を演じた上戸彩を見て「自分と同じだ」と気付きます。
ホルモン摂取によって肉体の変化を隠し切れなかったので、両親にも打ち明けました。
ハフポストの記事では「両親は困惑したが、2人の弟は『あ、そうなんだ』とすんなり受け入れた」とありますが、実際には弟の大輝さんは「それじゃあ(男でなくなる)兄はいったい何者なんだ」と怒りを覚えたといいます。

性別適合の手術を受けたのは2010年で、この時に戸籍も女性に変更しています。
仕事やイベント
仕事は18歳から水商売を経験し、20歳からはwebデザインの仕事も1年間経験。
2007年、21歳の時にニューハーフのイベント「プロパガンダ」を創設(2016年3月終了)し、あわせて女装カルチャーを作る会社「株式会社UNI」を立ち上げました。
また誰でも気軽に女装を楽しめるというコンセプトのバー「女の子クラブ」を出店し、新宿本店・上野(御徒町)、大坂(難波)と3店舗を経営します。

こうしたビジネスは大きな成功を収め、年収は1000万を越えますが、ビジネスの成功とは裏腹に内的・心理的にはモカさんは躁鬱病をわずらって苦しみます。
飛び降り自殺をするも生還
数年間、躁鬱病に悩まされた末、2015年10月、12階のマンションから飛び降り自殺しますが、車の上に落ちて複雑骨折。奇跡的に後遺症もなく助かりました。
自殺後、病院で目覚めて全身の痛みに苦しみます。
しかし「痛い、痛い」と言っていると余計に痛くなると感じ、気をそらすために別のことを考えるようにします。
そのことからモカさんは人生の苦しみも同じだということに気付きました。
この経験から復帰後のモカさんは、600人を越える人に無償の人生相談などを行い、人に貢献する活動を始めて現在に至っています。
モカ(迷いうさこ)の漫画
モカさんは漫画の書籍を出版しています。
内容は1~5話まであり、最初の4話「真実に近いところ」「虫人間」「ゆめのきおく」「もしわたしが」は哲学的な問いをテーマとした寓話で、第5話の「わたし」はモカさん自身の自伝的作品です。
モカ(迷いうさこ)の書籍
モカさんは自殺の経験を中心にした書籍を新たに出版しました。
『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』はモカさんと、モカさんに取材した朝日新聞記者である高野真吾氏がまとめたものです。
内容は漫画1篇「真実に近いところ」のみ前掲の漫画書籍とかぶりますが、描き下ろし漫画の「正気と狂気」はじめ、新たに自殺の経験とそこでの気付きを中心に書いたものです。
自殺を「日本社会における戦争」としてとらえ、主題的に扱っています。