6月19日、ツイッターのトレンドに「Sansan」に入っており、調べたところ「Sansan」は会社の名前で、本日6月19日に東証マザーズに上場したことでランクインしたようです。
名刺管理ツールのSansanが東証マザーズ上場、初値は4760円で最高値は5140円(午前10時25分現在) https://t.co/SJaUoylx7N
— TechCrunch Japan (@jptechcrunch) June 19, 2019
「そんな会社聞いたことない」と一瞬思う方もおられるかもしれませんが、実はこの会社、松重豊さんや野間口徹さんが出演する、「それ、早く言ってよ~」のセリフが印象的な「社内の名刺を一括管理」を謳うCMでお馴染みの企業です。
この「Sansan」の会社社長は寺田親弘氏。会社を急成長させ、東証上場を果たした同氏は、いったいどのような方なのでしょうか?
寺田親弘氏について気になったところを調べてみました。
SanSanが現在1,468億円!
圧倒的に0から業界を開拓したやばい企業です笑
代表ご本人ともお会いしたことがありますが、かなり苦労はあったようです
ARR7〜14x程度の水準で調達しており、いいケーススタディになりそうなhttps://t.co/WidMgNPMg8
— Tomoya Fukawa (@Fukahire109) June 19, 2019
寺田親弘の画像
出典:https://job.j-sen.jp/jobshil/visionary_116
米国大使の賞を頂きました! 書類選考、ピッチを経ての受賞。大使公邸でのセレモニー、パーティー に出席してきました。名前を呼ばれた時は素直に嬉しかったです!http://t.co/4WAEpTXmhttp://t.co/LkTrhQcx pic.twitter.com/PIjOCcoM
— 寺田親弘 (@cterada) November 29, 2011
寺田親弘の経歴
寺田親弘氏は現在、東京都の渋谷区に住んでいるそうです。
寺田親弘氏は1976年、東京都生まれ。
高校は慶応義塾高等学校を1995年に卒業。
大学は慶應義塾大学環境情報学部を1999年に卒業します。
卒業後にはそのまま三井物産に入社します。
情報産業部門で勤務後、米国シリコンバレーに転勤。帰国後に社内ベンチャーの立ち上げやセキュリティ関連会社への出向を経て、2007年に退職しました。
同年の6月に東京都新宿区に、三三株式会社を設立。
同年9月に法人向けサービス「LinkKnowledge」を提供開始。
2011年には優れた起業家に贈られる「The Entrepreneurs Awards Japan U.S. Ambassador’s Award」を受賞しています。
2013年8月に法人向けサービスの名称を「Sansan」に変更。
2012年2月に個人向けサービス「Eight」を提供開始。
2014年3月に本社を渋谷区神宮前に移転し、商号をSansan株式会社へ変更。
そして2019年6月、東証マザーズ上場に至りました。
寺田親弘の家族は?
寺田親弘の父親も実業家 起業に影響を受ける
寺田親弘さんは高校・大学と慶応義塾のストレートコースですから、やはり父親が実業家なだけあって裕福なのかな、という気がしますね。
ちなみに父親については、実業家で、そのために当たり前のように自分も実業家を目指すことになったと語っています。
「シリコンバレーで刺激を受けて起業した」というストーリーだとウケやすいのかもしれませんが、そういうわけではありません。小学生くらいのときから、「起業したい」というより、「起業する」と思っていました。戦国時代の本を読んで「俺も天下を獲りたい!」と思うちょっとイタい感じの少年で(笑)、周りを見ると父が起業していたので、「現代で天下を獲る手段はこういうこと(ビジネス)なんだな」と単純に思ったんですね。自分にとっては自然な流れで、起業するのが特別なことだとは思っていませんでした。
「現代での天下をとる方法はビジネス」という発想は面白いですね。
ところで検索キーワードなどを見ると、この「父親」とはいったい誰でどんな会社を経営しているのかと興味を持たれていた形跡がありますが、少なくともこの記事執筆の時点では、おそらく父親についての細かい情報はどこでも公開されていないと思われます。
どのネット上のどのページも、上のような、ちょっと父親について触れた言葉が出典となっているようで、「父親も実業家です」「その影響で起業しました」ということしか書いていません。
ちなみに起業について別のインタビューでは同じことをこのように言っています。
起業については、小学生ぐらいから考えていました。もともと戦国時代の本が好きで、「戦いに勝って天下をとるシステムというのはなかなかいいな。これを現代で置き換えるなら起業だな」と思ったのです。
また、父が経営者だったこともあり、家族で旅館に泊まっても、館内のようすを見たり、仲居さんにちょっと質問したり、その断片的な情報から「ここの売上はだいたいいくらぐらいで、これぐらいの利益が出ていて…」なんて話をするわけです。
幼い頃からそういう話を聞くのが当たり前だったので、自然にビジネスの視点で世の中をみるようになっていたことも、影響しているのかもしれません。
「小学生の頃、戦国時代の本が好きでした。天下を取ろうとする志がすごいと感じていたんです。おれも天下を取りたいと子ども心に夢見ていましたが、戦争という力ずくの手段で天下を取る時代ではないことは、もの心がつけばわかるわけです。そこで、父が事業をやっていましたから、現代において世界に通用するには、大きな事業を創ることなんだと思うようになったんです」
寺田親弘の奥さん
寺田親弘さんは結婚していて子供もいます。
インタビューでちょびっとだけ奥さんに触れるくだりもあります。
妻にも言われますよ。世界を変えたいとか意味がわからないって(笑)。それが普通の感覚なんでしょうね。
子供は女の子が2人だそうです。
寺田親弘の豆知識
「名刺は大嫌い(笑)」
寺田親弘さんは名刺を管理するサービスを提供する会社の経営者なわけですが、面白いことに「名刺は嫌い。前近代的で」なんて言ってます。
インタビュー中、最も印象的だったのは、「なぜ名刺にこだわるのですか?」と尋ねたとき、寺田氏が「いや、こだわってないんですよ。むしろ大嫌いです(笑)。オールドファッションで、前近代的で」と答えたことだ。それほど強く問題意識を持っているからこそ、それを解決することを本気で目指しているのだな、と納得した。「好きなことをやりたい」と思う人は多いが、「面倒だからなんとかしたい」というのも、大きなモチベーションになるわけだ。
座右の銘「挑戦と創造」
また寺田氏の座右の銘は「挑戦と創造」で、これは古巣の会社である三井物産の社是からきているということです。
ドラッカーからの影響
寺田氏はインタビューでドラッカーに大きな影響を受けていることを語っています。
「私の経営感覚はドラッカーの本に影響を受けています。ドラッカーの考え方は、会社の目的を従業員の幸せといった内側に置くのではなく、社会を良くするという外側に置くことを明文化しています。従業員を幸せにしていくためには社会を良くしていく必要があり、社会を良くしていくためには従業員が幸せである必要がある。それはイコールのことかもしれません。ただし、重要な意志決定の際には、会社の価値をどちらに置いているかをはっきりさせておくべきだと考えています」
価値を内ではなく外に、とりわけ重要な決定では「軸足が内・外どちらに置いているかはっきりさせておくべき」という言葉は面白いですね。
Sansanについて
「Sansan」は2019年6月の時点で475人の従業員がいるそうです。
ここでは「Sansan」について社名の由来やユニークな社内制度について簡単に調べてみたことをまとめました。
Sansanの社名の由来
Sansanの創業メンバーは寺田氏のほかに4人いたそうです。
そのうち3人は今でも会社に残っており、塩見 賢治氏、常樂 諭氏、そしてもう一人が富岡圭(共同創業者 取締役Sansan事業部長)氏です。
寺田氏は起業するとき、絶対に彼を誘うと決めていたそうです。
そして当時中国にいた富岡氏を口説きに行き、その時の富岡氏との中国旅行で世界最大級のダムである三峡ダムを一緒に旅をして、「三三」(現在はアルファベットのSansan)という社名にしようということになったそうです。
Sansanのユニークな社内制度
寺田氏のことというより、会社のことになりますが、Sansanはユニークな社内制度やそのネーミングでも知られています。
公式ホームページから借用するとこんな感じです。
Know Me (のーみー)
「他部署」で「過去に飲んだことがない」人と「3名迄」で飲みに行ったら、会社から1人につき3000円を補助する制度テランチ※正社員のみ対象
代表の寺田と3名の社員が、1対3でランチする制度H2O (近隣住宅補助制度) ※正社員のみ対象
表参道駅・渋谷駅から2駅以内に住んでいる社員に対し、住宅費用を会社が補助し、通勤時間短縮を支援する制度イエーイ(在宅勤務制度)※正社員のみ対象
在宅勤務を選択できる制度どにーちょ(出勤日振替制度) ※正社員のみ対象
平日の出勤日を、土日に振り替えることができる制度チャージ休暇※正社員のみ対象
7月~9月の間に、連続3日間の休暇が取得できる制度GEEK SEEK (クリエイター・エンジニア向け)
開発環境整備補助制度
開発者向け勉強会奨励制度
書籍購入補助制度 などMOM(Measures of Maternity)※正社員のみ対象
育児休暇からの復帰を後押しするために、保育園料を会社が補助する制度KISS(Kids Sitter Support)
月3万円を上限に、ベビーシッターの費用を会社が負担する制度引用:Sansan株式会社
ネーミングがいちいち面白いですね。
『慶應SFCの起業家たち』に登場
『慶應SFCの起業家たち』は「ベンチャー起業家王国」とも呼ばれる慶應SFC(湘南藤沢キャンパス)を扱った本です。
『慶應SFCの起業家たち』には8人の慶應SFC出身の起業家が登場しますが、その中の一人として寺田親弘氏が出ています。