【低級者向け】ヘルメス・J・シャンブ『“それ”は在る』

スピリチュアル
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一部で話題になっていたヘルメス・J・シャンブという日本人の『“それ”は在る』を読んだので、それについて書いておきます。

結論からいえば、読むだけの値打ちがあるとは思えません。

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【低級者向け】ヘルメス・J・シャンブ『“それ”は在る』

ヘルメス・J・シャンブは日本人

ヘルメス・J・シャンブという名前で騙されがちですが、彼は日本人です。
(別に非公表ではないです)

この人です。

Amazonや著書でのプロフィールの一部を抜粋すると次のように書いてあります。

1975年生まれ。30代前半、人生上の挫折と苦悩を転機に、導かれるように真理探求の
道に入る。様々な教えを学び、寺で修業し、巡礼の旅に出るが、最終的に「全ては私
の中に在る」と得心、悟入する。数回に分けられ体験された目覚めにより、Oneness
(一つであること)を認識、数々の教えの統合作業に入る。

現在は静かな田舎に暮らし、独りで畑仕事をしながら、出会いが起きた探求者たちに
教えを伝えている。

〈在る〉という教えは、これまでの師たちの伝統的な教えであり、またいくらか統合
されたものに過ぎず、なんらオリジナルなものではないため、師たちの名前を借りて
〈ヘルメス・J・シャンブ〉と名乗り、初の著作となる『“それ”は在る』を執筆した。

「静かな田舎に暮らし」とありますが、彼には《ヘルメス・J・シャンブ 山陰地区案内人》(@shinnn_2525)というアカウントがあるみたいなので、たぶんその辺りに住んでるんでしょう。

山陰地方は、中国地方の日本海に面する辺り、狭義には鳥取・島根両県、広義には京都府や兵庫・山口両県の北部を含むといいます。

ヘルメス・J・シャンブは覚者ではない

ところで、ヘルメス・J・シャンブが覚者ではないのは明らかだと思います。

ファッション

これがニサルガダッタ・マハラジとラメッシ・バルセカール。

これは『パワー・オブ・ナウ』(邦題『悟りを開くと人生はシンプルで楽になる』)や『ニュー・アース』の著者のエックハルト・トール。

ラマナ・マハルシは現存する写真ではこざっぱりした身なりをしているだけですが、真我を実現して家を出てから数年間、身なりにまったく構わないために爪や髪も伸び放題だったといいます。

そしてこれがヘルメス・J・シャンブ。

もう並べただけで笑っちゃいませんか?(笑)

「そんな寒いんかいお前。エアコンつけろや」みたいな。

真面目な話をしますが、神秘めかして布(じゃなくて衣類なんでしょうが)を被る必要など何処にあるのでしょうか。

覚者は虚栄心や虚飾から免れており、したがってあらゆる自己演出と無縁です。

だからこの点からもヘルメス某が覚者ではないことは明らかです。

『“それ”は在る』というタイトル

私見ですが、この『“それ”は在る』というタイトルはニサルガダッタ・マハラジの『アイ・アム・ザット 私は在る』を形式だけ模倣したものだという可能性がきわめて高いと思います。

また「川べりで覚醒を得た」とする体験を語る動画も見ましたが、これはパパジ(プンジャジ)が川辺で前世の数々を走馬灯のように見たという体験をパクったんでしょう。

さらに彼が夢(通俗的な意味での自己実現)について「夢はかない続けている」などの表現で肯定的に語っている動画も見たことがあり、これにも疑問を覚えます。

夢は未来における目標であり、必然的に現在時における不満・問題の存在を暗示しています。

しかし悟った者は完全な世界の中で安らぎ、通常の意味での不満や問題からは免れています。

彼が覚者ならそのようなことを語りはしなかったでしょう。

真我の実現は通俗的な意味での「自己実現=夢」と対極にあり、だからこそ真我の実現は、人生そのものに絶望した人(すべての夢を捨てた人)が最後に持つ希望でもあるのです。

『“それ”は在る』の内容分析

そして『“それ”は在る』は、覚者と思しき「ある御方」(爺さん)と「探求者」の対話によって成り立っている本ですが、ここからは私が読んで感じたことを書いておきます。

悟り+潜在意識理論+陰謀論+アセンション

『“それ”は在る』では「すべては既に書かれている」と、現象のすべては既に決定済みであるという決定論・決定説が強調されます。

しかし終盤、散々「既に書かれている」と繰り返してきたにも関わらず、唐突にジジイ(ある御方)が「全ては変更可能」と矛盾した中途半端なことを言い出して戸惑います。

これは何のことかと思ったんですが、おそらくこれは「タイムラインの変更(によって過去が返られること)」を意味しているのでしょう。

さらにアセンションについても軽い言及があるので、総合的には『“それ”は在る』は、悟り+潜在意識理論+陰謀論(タイムライン等)+アセンション(スピリチュアリズム)といった感じの本です。

この記事だけを読む人もいると思うので一応書きますが、私自身は陰謀論者で陰謀論自体を批判しているわけではありません。

低級者向け

『“それ”は在る』には帯に勿体らしく「これはまったく上級者向けだ」という言葉が載っていますが、これは中身の文章からの抜粋です。

だが、この老人は言おう。
『行為者なんかであるはずがない。あなたは思考者でもないのだから』
これはまったく上級者、、、向けだ

しかし、この本は別に上級者向けではありません。

初心者向けというのもおこがましいです。

初心者向けというのは肯定的な言葉なので私はその言葉を用いたくはないです。

むしろ「低級者向け」と言いたいくらいです。

たしかに本として面白い箇所はありますが、それは別の本でも読めることで、そもそも覚者を「詐称」している者の本に読む価値などないからです。

内容は覚者の教えと共通する部分も多いですが、それは単にある程度までは知的に理解して、後は口真似すれば誰にでもできることです。

末尾の「謝辞」に名前が挙がる人たち

『“それ”は在る』の末尾には「謝辞」として幾人かのスピリチュアルの道における有名な人物について感謝を述べる箇所があります。

つまりこれは平たく言えば「ヘルメス・J・シャンブが影響を受けた人物」ということになりますが、それを列挙すると次の通り。

  • 聖ジャーメイン(サンジェルマン伯爵)
  • イエス・キリスト(実際には『イェシュア(イエス)』と書かれている)
  • OSHO(=バグワン・シュリ・ラジニーシ)
  • メルキゼデク
  • ラマナ・マハルシ

あらためて「謝辞」を読み返すと、おそらく個人的な友人についてなんでしょうが「○○、いつも一緒にいてくれてありがとう」とか、「○○、○○、――あなたは天使だと私は知ってるよ――」とか、覚者が悟りをテーマに書いた本というより、スランプに陥った欧米の物書きが10年の空白期間の後に書き上げた会心の第7作目の後書きみたいで無茶苦茶ウケます。

ヘルメス・J・シャンブが本当に影響を受けた人物

本題ですが、(私もすべての本と著者を知るわけではないので、あくまで私の知見の範囲の話ですが)私が読んだ限りでは彼が影響を受けたのは本当は、ここでは名前が挙がっていないラメッシ・バルセカールとバシャール(ダリル・アンカ)だと睨んでいます。

特に序盤で強調される決定論「すべては既に書かれている」は、ラメッシのすべてが神の意志であらかじめ決められている、という思想とよく似ており、しかもセックスなどに問題はないとする点など、「エゴに抵抗せずに受け入れるべき」というラメッシの論理によく似ています。

さらに勿体ぶって語られる「思考は自分のものではない」「個人的行為者がいない」という主張も、彼が表面上影響を受けたかのように装っているラマナ・マハルシよりも、むしろラメッシがよく使う表現なので、なおさらそう思えます。

誤解のないように書いておきますが、決定論や個人的行為者の不在は多くの覚者に共通した教えです。ただしそれを特に強調しているのがラメッシなので、そのためにこのような推論が成り立つということです。

ラメッシなら多分、「あなたが思考するのではなく、思考は『起こる』のです」とでも言うでしょう。(ラメッシ・バルセカール『誰がかまうもんか?!』参照)

また外界は観念が現実化したものだとする主張が出て来ますが、これはダリル・アンカのチャネリング対象であるバシャールの主張を思わせます。

人間の潜在意識が現実化するということ自体は、苫米地英人に代表される一般的な潜在意識理論でも同様のものですが、彼らは通常「セルフイメージ」という言葉を使います。

一方でその代わりに現実化するものとしての「観念」という言葉は、バシャールの本(正確にはバシャールの翻訳本)でよく用いられる表現であり、そのために元ネタはバシャールなのではないかと思います。

これは本題と関係ないですが、一部でバシャールはネガティブな存在でイルミナティと結託しているという説があります。これはおそらく彼がイルミナティについて質問されて声を荒げたためです。

最後に

この記事は以前から書こうと思っていたものの、面倒くさくて先延ばしにしていました。

今回書いた動機も、さっさと書いて用済みになった本を売っ払いたいと思ったからです。

「サイプレスの森に赤い聖星が一つ輝きます」‥‥笑

俺の股間にも黄金の玉が二つ輝いてますが、それが何か?

自分も買っといて言うのもなんですが、なぜ本物であることが確実な人たちがいる一方で、こんな偽物に構う必要があるんでしょうか。

誤ってこんな偽物を真我実現(悟り)への道案内人にしてしまったなら、私自身も含め、実現への道中にいる人たちはますます道に迷うことは明らかでしょう。

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