死亡男性はなぜナメクジを食べた?寄生虫感染による症状はどのようなものだったのか

2018年11月2日、オーストラリアの男性がシドニーの病院で、8年前にナメクジを食べたことが原因となって死亡した。

直接の死因は寄生虫の「広東住血線虫」によるものだ。

男性はなぜナメクジを食べたのか、そして寄生虫感染による症状はどのようなものだったのか、調べてみた。

死亡男性はなぜナメクジを食べた?

2010年当時、19歳の有望なラグビー選手だったサム・バラードさんは、庭で開かれたパーティーで友人たちと赤ワインを飲んでいた(オーストラリアでは18歳から飲酒・喫煙が認められている)。

その時テーブルを這っていたナメクジを見つけた彼らは、それを食べられるかどうかで盛り上がり、友人たちにけしかけられたバラードさんはナメクジを呑み込んでしまう。

寄生虫感染による症状はどのようなものだったか

それから数日後、彼は身体に力が入らなくなり、足の強い痛みも覚えたため、ナメクジが原因かと心配になって病院に行ったところ、案の定ナメクジの寄生虫「広東住血線虫」が原因だと分かった。

間もなく寄生虫が脳に感染したためにバラードさんは昏睡状態に陥り、420日間ものあいだ意識が戻らなかった。

ようやく意識が回復した時、体は麻痺して自力で食べることも、ほとんど動くこともできなかった。3年間の入院生活の後に退院したが、当然車椅子の生活であり、24時間の介護が必要だった。

そして8年後の2018年11月2日に亡くなったということだ。

母親への最後の言葉は「愛している」だった。

他の症例や感染予防

広東住血線虫症が脳の損傷や死につながるような重篤な合併症を引き起こすことは稀であり、多くの場合、時間の経過と共に自然に治癒する。

実際、1993年にニューオーリンズ在住の少年が、やはりけしかけられてカタツムリを食べた後に広東住血線虫症に感染したが、筋肉痛や嘔吐、頭痛や微熱などの症状を経て2週間後に自然治癒したという。

しかしもちろんこれは危険性がないということではない。

米疾病対策センター(CDC)はこれを受け、広東住血線虫症への感染を回避するために、ナメクジやカタツムリ、カエルや海老を生で、あるいは加熱不十分な状態で食べないこと、また生鮮食品は必ずよく洗い、旅行で寄生虫が多い地域を訪れるときは生野菜を食べないことなどを呼びかけている。

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