佐藤優の『自壊する帝国』また『インテリジェンス人間論』

私の読書はほとんどの場合、古典が中心で、そのために存命中の作家の著作を何冊も読む、ということは滅多にない。そんな現代作家に関しては乏しい私の読書経験の中、私がもっとも多く読んだのは佐藤優氏のものだろうと思う。

佐藤優の『自壊する帝国』

特に自衛隊退職前の一時期、ノンフィクション小説の『自壊する帝国』を繰り返し読んだ。

このようなセリフは印象的だ。

「ブラード、それじゃ永遠に漂流し続けることになる」
「それでいいじゃないか」

また副大統領の「ヤナーエフ」が起こしたクーデターについて、猪木寛治がこんなことを言うのも面白い。

「佐藤さん、ソ連にはゴルバチョフのようなお喋りよりもヤナ―エフの方が似合っているように思う」

佐藤優の『インテリジェンス人間論』より

彼の著書を何冊も読むようになると、私自身まったくの門外漢だった、この「外交」あるいは「政治」という世界のことが少し理解できた気がした。何より面白いのは、「政治」という最も「非個人的」なはずの舞台で、「個人的信頼関係」というものが大きな意味を持つ、という逆説だ。

「マサルはソスコベッツを愛して(リュービシ)いるか」
(中略)
「私が愛している政治家はブルブリス先生だけです。ソスコベッツに関心はありますが、愛してはいません」
「よい答えだ(マラジェッツ)」

人脈の広さ・共著者の多さ

またこの人の尋常ではない人脈の広さ、共著者の多さにはいつも驚かされる。元々「付き合いのいい人」なのかもしれないが、それにしても圧巻だ。

やはり外交官時代に付けた「癖」のようなものなのだろうか。とりあえず「パイプ(人との繋がり)を作っておく」ということが習慣化しているように思える。

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