『デイリー新潮』の2019年5月16日号で、市川市議選の立憲民主党の公認候補者が選挙スタッフの女性に「暴行事件」を起こし、結果的に2人の候補者の公認が取り消されたということを報じました。
調べたところ、この2人の候補者とは吉野明広と門田直人だということが判明。
このトラブルとはどのようなものなのか?
2人の候補者はどのような人物か?
過去の記事の情報も総合して、トラブルの詳細を調べてみました。
立憲民主が市川市議選でトラブル
『デイリー新潮』の記事は次のようなものです。
コトが起きたのは先月5日。千葉県市川市のJR市川駅北口である。
目撃者によれば、
「この日の早朝、統一地方選の選挙活動で、市川市議選の立民の公認候補者たちが駅頭演説を行っていたんです。しかし、演説が終わった8時過ぎ、30代の男性候補者が1人の女性スタッフと言葉遣いを巡って口論に。さらに、その女性の鳩尾(みぞおち)を殴るなど暴行を加えるに至ったのです」
警察官が駆けつけるほどの騒ぎとなったこのトラブルは、その後、思わぬ展開を見せる。
「実は、被害女性の父親も市川市議選の公認候補で、その場で暴行を止めようとしたのです。激怒した父親は、警察に被害届を出そうとしたのですが……」(同)
立民の関係者が続けて話すには、
「ことを荒立てたくない千葉県連会長の生方幸夫さん(代議士)が父親に対して、“被害届を出さないでほしい”“出すのであれば公認を外す”と圧力をかけたんですよ。父親は到底承服できず、何度も抗議をした。でも生方さんは、“党本部の福山哲郎幹事長の決定”と言い張り、殴った相手方とともに13日、公認を取り消してしまうのです」
“臭いモノには蓋を”と言わんばかりのこの結末について、当の生方氏に話を聞いたところ、
「圧力なんてかけてません。公認取消権は党本部にあり、県連にはありませんので」
一方、取り消したと名指しされた福山氏は、
「両名が適切な対応を取らなかったことを理由に、千葉県連合として、常任幹事会で公認取消をしたものと承知しております」
と“トップ”と“ボトム”が責任逃れを演じ合う始末。
これに対して被害女性は、
「暴行を受けたのは事実ですが、詳細は差し控えさせてください……」
“まっとうな政治”が聞いて呆れる。
引用:立憲民主党が統一地方選「暴行事件」で口封じ圧力
まとめると、
- 男性の30代候補者が女性スタッフと言葉遣いをめぐり口論になり、女性スタッフの鳩尾を殴った。
- 暴行を受けた女性スタッフの父親も公認候補者であり、怒った女性スタッフの父親は警察に被害届を出そうとした。
- 千葉県連会長の生方幸夫が、党本部の福山哲郎幹事長の決定で、被害届を出すなら公認を取り消すと主張。
- 結果的に2人の公認は取り消されてしまった。
- 取材に対して、千葉県連会長の生方幸夫は党本部の責任に、党本部の福山哲郎幹事長は千葉県連の責任にそれぞれ帰している。(責任を互いに擦り付けている)
ということになります。
公認取り消しは吉野明広と門田直人
それではこの二人の候補者とは誰でしょうか?
りっけん千葉(立憲民主党千葉県連合)の生方幸夫代表名義の過去のツイートで、このようなものが見つかりました。
2019年4月13日
立憲民主党千葉県連合
代表 生方 幸夫立憲民主党市川市議会議員候補者吉野明広及び同門田直人については、立憲民主党の公認候補者として不適当な行為、言動及び対応があった。このことから、本日、立憲民主党は両名の公認取消を決定した。
以上
— りっけん千葉(立憲民主党千葉県連合) (@rikken_chiba) April 13, 2019
2019年4月13日
立憲民主党千葉県連合
代表 生方 幸夫立憲民主党市川市議会議員候補者吉野明広及び同門田直人については、立憲民主党の公認候補者として不適当な行為、言動及び対応があった。このことから、本日、立憲民主党は両名の公認取消を決定した。
以上
これには当時、告示直前ということもあって選挙民から疑問の声が多く挙がりました。
統一地方選後半戦の告示直前での公認取り消し。取り消す理由を開示して頂かないと支援者は納得できないと思います。
— りっけんナオ(1996年体制から決別を)🏳️🌈 (@tyandori) 2019年4月13日
公示前日に公認取り消し!説明していただきたい。党の指導方法には問題はなかったのでしょうか。(自、公が喜んでいると思うと悔しい)
— 植草誠一:枝野JAPAN (@uekusa0904) 2019年4月13日
事情を説明いただけませんでしょうか。応援していた人たちが納得いきません。
— 経世在民 市井人 (@shisei_jin) 2019年4月13日
しかし『デイリー新潮』はじめ各種メディアの報道で、暴行のトラブルによって公認が取り消されたのだということが明らかになりました。
お二人について調べてみました。
吉野明広の顔画像・プロフィール
吉野明広氏は「吉野あきひろ」という候補者名で出ています。
出典:Twitter
ホームページでのプロフィールは次の通りです。
[生年月日]
1982年6月生まれ。かに座。
現在36歳
[ニックネーム]
アッキー
市川市南大野で子供向けのダンススクールを経営、ダンススクールインスタラクターをしております。
現在、市川大野を中心に行徳、国府台など地域の子供達と楽しくダンスをしております。
[経歴]
株式会社CROWNエンターティンメント代表取締役
元ユニバーサルスタジオジャパンパレードダンサー
元スポーツクラブインストラクター
帝京平成大学情報学部卒業
日本政策学校9期生
一新塾38期生
[資格]
市川市公認スポーツリーダー
市川市公認ジュニアスポーツ指導員
日本子供フィットネス協会公認インストラクター
引用:プロフィール
ダンススクールの経営やダンスのインストラクターをされている方みたいです。
年齢の「36歳」というのが重要な情報ですね。
記事は「30代の男性候補が女性スタッフの鳩尾を殴った」ということなので、つまりこの吉野あきひろ氏が女性スタッフを殴ったのだということが分かります。
門田直人の顔画像・プロフィール
「かどた直人」という候補者名で立候補した門田直人さんの顔画像は次の通り。
出典:ホームページ
門田さんのプロフィールです。
1955年(昭和30年)4月生まれ。高知県四万十市出身。市川市在住約40年。
2018年(平成30年)東京新聞編集局勤務(9月末まで)。
2018年(平成30年)市川市中国分自治会副会長(5月末まで)。家族は妻と娘の2人と愛犬ハチ(13歳)。
東京新聞では、整理部、編集企画室、外報部、首都圏編集部などで勤務。1991年から外報部に所属し、ソ連・ロシアを担当。ソ連崩壊前後、モスクワに特派員として駐在し、旧ソ連各国で取材する。特にロシアでは、超インフレ下に年金生活者らに取材し、「物価は高騰するが年金は増えない」という年金生活困窮者の実態を知る。
【略歴】
1974年 愛媛県立宇和島東高等学校卒業
1979年 早稲田大学第一文学部卒業
1986年 東京新聞(中日新聞社東京本社)編集局入社
1989年から2006にかけ、計4年間、モスクワ特派員
2015年 東京新聞編集局定年退職
2015年 東京新聞編集局首都圏編集部で再雇用(特別嘱託)
2018年 東京新聞編集局退職予定
引用:プロフィール
早稲田大学卒で東京新聞の記者さんだったみたいですね。ツイッターでもたまに東京新聞の望月衣塑子記者のツイートをリツイートしたりしてます。
被害者の女性スタッフの父親で64歳の男性です。
トラブルの詳細は?
トラブルの詳細をもう少し調べてみました。
こちらは4月16日の夕刊フジの記事。
問題のトラブルは5日朝のある駅前で、統一地方選前半戦の千葉県議選に出馬した立憲民主党候補の応援演説を終えた、後片付け中に起きた。
現場にいた複数の党関係者によると、年上の市議選候補Aに対する、市議選候補Bの日ごろの言葉遣いをAの長女がとがめ、口論となった。
長女はAの後ろに隠れたが、Bと足の蹴り合いになったという。大勢の有権者の目の前で発生したバトルに、近くの交番から警察官が駆け付ける騒ぎとなったという。
立憲民主党千葉県連は後日、事情聴取を行った。「公認候補者として不適当な行為、言動、対応があった」として、13日に党本部の「公認取り消し決定」を発表したが詳しい説明は避けた。
Aは直接、Bに暴力をふるったわけではないが、党本部は「積極的にいさかいを止めなかった」として「連帯責任」とした。いわば、「けんか両成敗の大岡裁き」のようなものだ。注目の某市議選では現在、AもBとそろって「無所属」で戦っている。
記事中に「年上の市議選候補Aに対する、市議選候補Bの日ごろの言葉遣いをAの長女がとがめ、口論となった。」「長女はAの後ろに隠れたが、Bと足の蹴り合いになった」(子供みたいだな…)といった言葉があります。
ただこの記事の時点では「長女が鳩尾を殴られた」ということが抜けていますが。
つまりトラブルの経緯・詳細は、年上の門田氏に対して年下の吉野氏の言葉遣いが良くないので、門田氏の長女が注意したところ口論になり、吉野氏が長女の鳩尾を殴り、長女は門田氏の背中に隠れ、二人は足の蹴り合いをした、ということです。
記事中では門田氏の公認取り消しの理由について「積極的に止めようとしなかった」ということになっていますが、警察への被害届を出す出さないで揉めたという情報はまだ出ていなかったようです。
「Aは直接、Bに暴力をふるったわけではない」ということなので、吉野氏(36)は門田氏(64)を直接殴ったということはないみたいですが、娘を殴られて頭に来た門田氏が警察に被害届を出そうとしたところ、なんやかんやで公認取り消しになった、ということですかね。
ただ「鳩尾を殴られた」と言っても、どの程度の強さかは分かりませんけどね。
成人男性の力で全力で殴ったら、たぶんうずくまってしまって背中に隠れるどころではないでしょうが、とりあえず吉野氏が暴行を働いたというのは本当なのでしょう。
あまりダンスのインストラクターのイメージにそぐわないですけどね。
門田氏はツイートでこんなことをつぶやいてます。
いわれなき公認取り消しにもかかわらず、きょう14日、市川市議選に挑戦します。戦い抜きます。#草の根からの民主主義
— かどた直人 市川市 (@monta3113) 2019年4月13日
M県議候補の応援作業中の私の長女とY候補予定者が口論の末、娘が殴られました。
現場にいた長女とY氏とのいさかいを積極的に止めに入らなかったというのが、公認取り消しの理由のようです。まさにとばっちり。— かどた直人 市川市 (@monta3113) 2019年4月13日
「Y候補予定者」「Y氏」は吉野氏の「Y」でしょうね。
「M県議候補」は分かりませんが、たぶん立憲民主から県議に立候補した誰かでしょう。
2019年市川市議選の門田・吉野両氏の選挙結果
ところで、気になる選挙結果ですが、門田・吉野両氏ともに落選したようです。
こちらは落選後の門田氏のツイートです。
このたびは私の力不足により998票という不甲斐ない結果となってしまったことを、心よりお詫び申し上げます。また立候補する機会を与えていただけましたら、次こそは今回の雪辱を果たすつもりです。かどた直人に皆さまのご支援を賜りますよう何とぞよろしくお願い申し上げます。#市川市議選 #かどた直人
— かどた直人 市川市 (@monta3113) 2019年4月21日
門田氏は「998票」という得票数で落選しています。
一方でまた吉野あきひろ氏も得票数「461票」で落選しています。
2人とも落選ですが、被害者側の門田氏の方が、加害者の吉野氏よりも得票数が多い(約2倍)というのが、せめてもの救いといったところでしょうか。
ちなみに当選者の中で最高の得票者は立憲民主党の中町けい氏で4,852票です。
また当選者の中で最低の得票数の方が1,542票(無所属の長友正徳氏)、ギリギリで落選した方の得票数が1,442票(日本維新の会の堀内しんご氏)なので、まだまだ二人とも力不足といった感じですね。(参考:平成31年4月21日 執行 市川市議会議員選挙 投票速報)
2人の次回の挑戦に期待、と言いたいところですが、加害者側の吉野氏は、このスキャンダルで有名になってしまえば、もうチャンスはないかもしれません。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。