王子華魂(ドラゴン)特攻隊長のロイ|母国バングラデシュで兵役にも

アウトロー

アウトロー誌『実話ナックルズ』2020年11月号で、チャイニーズドラゴンの一派「王子華魂(オウジドラゴン)」で特攻隊長を務め、二代目攻弐会のリーダーでもあったバングラデシュ人の「ロイ」さんが登場します。

ここでは、その「チャイニーズ・ドラゴン幹部たちは今」のロイさんの記事の内容をまとめました。

興味のある方はどうぞご覧ください。

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王子華魂(ドラゴン)特攻隊長のロイ|母国バングラデシュで兵役にも

ドキュメント「チャイニーズ・ドラゴン幹部たちは今」

 

 

記事は「チャイニーズ・ドラゴン幹部たちは今」と題され、取材・文は根本直樹氏、撮影は中筋純氏によって担当されました。

タイトルの下の文ではチャイニーズドラゴンについて、「80年代後半に暴走族としてスタート」「”ドラゴン”には様々な系統があるが、近年警察はそれを一括りに”チャイニーズドラゴン”と総称」など簡単な概要を説明しています。

そして「今回は最古参グループのひとつである『王子華魂』の知られざる過去とその後を追った」とあります。

ちなみに「王子華魂」は、「華魂」と書いて(怒羅権と同じく)「ドラゴン」と読むそうです。

ところで「今回」という言葉があるのを見ると、「チャイニーズ・ドラゴン幹部たちは今」はシリーズ化され、これからの号では複数のチャイニーズドラゴン(怒羅権系の不良)の幹部が特集されるということでしょう。

また今回のロイさんの特集は、写真キャプションなどを見る限り、埼玉の西川口で行われたようです。

六代目「王子華魂」特攻隊長・二代目「攻弐会」リーダー・ロイ

ドラゴンはもともと中国残留孤児の2世、3世らの少年たちが、日本人からのイジメに対抗して作った集団です。

創設当初は暴走族としての活動からスタートしました。

そのため、当然初期メンバーは中国東北省出身者たちで占められていましたが、規模の拡大とともに日本人も増えていきます。

それでも幹部クラスはやはり中国残留孤児の子弟が中心で、現在の「ドラゴン=中国系」というイメージが定着します。

そんな中、中国系でも日本人でもない南アジアのバングラデシュにルーツを持つ異色のリーダーが、現在30代前半の、六代目「王子華魂」特攻隊長・二代目「攻弐会」リーダー・ロイさんです。

ロイさんは褐色の肌にエキゾチックな顔立ち、がっしりした体躯をしてサングラスをかけた男性です。

日本で商売をしていたバングラデシュ人の両親のもと、板橋で生まれたロイさん。

しかし生まれも育ちも日本で、発音や言葉遣いは日本人とまったく同じ、性格は人懐っこく、早口で、そして意外なほど礼儀正しかったと言います。

外人顔で差別を受け、不良の道へ

見るからに「ザ・ガイジン」の顔をしたロイさん、小学校時代はそれが理由でさんざんイジメられます。

それは「中国系のドラゴンの先輩たちと共通する部分」と語りました。

しかしイジメで心は折れることなく、「いつか見返す」と両親に頼み込んで極真空手の道場に通い始めます。

その「成果」が出たのは中学時代、先輩にやられている仲間がおり、怒りを爆発させたロイさんは助っ人としてその喧嘩に参戦したところ、相手は「みんなあっ気なくくたばっちゃっ」たと言います。

ここから人生が激変します。

周囲の見る目が変わり、地元の怖い先輩たちからも一目置かれるようになったロイさんは次第に頭角を現し、板橋を代表する不良少年になりました。

王子華魂幹部・兄貴分の X 氏との出会い

16歳の時に決定的な出会いがあります。

それは10歳ほど上で今も兄貴分と慕う王子華魂の「X氏」との出会いでした。

たまたま家が近所で、「お前、国どこよ」といった感じで声をかけてもらったロイさん。

何度か会って話をするうちに「変な話、惚れちゃった」といいます。

揉め事では絶対に引かないX氏ですが普段はめちゃくちゃいい人で、「こんな先輩の下でいろいろやっていけたら最高だな」と思ったロイさん。

ロイさんから見て兄貴分は「完璧な男」で、その思いは今も変わらないと言います。

X氏と兄弟の契りを結んで舎弟となったロイさんは、X氏の勧めで王子華魂の一員となりました

空中分解状態だった「攻弐会」を再興

王子華魂の最盛期は90年代。

さまざまな事件を起こし新聞をにぎわすことも多かったですが、2000年代になると暴走族文化の衰退とともにメンバーが減少、五代目華魂のメンバーが現役を退くと数年間の空白の時期が続きます。

その時期にロイさんは、兄貴分に「ふらふらしてるなら華魂の一員になって『攻弐会』を再興してみろ」と言われます。

攻弐会は王子華魂で大きな力を持った派閥の一つでしたが、当時は会自体が空中分解のような状態にありました。

そこで2000年代半ばに会の再興がロイさんに託されます。

そのような名門派閥の復活を託してくれた先輩に大きな感謝を抱いたロイさんは奮起します。

当時、同時に王子華魂も空白期を経て活動を再開、ロイさんよりも年下の少年ふたりが幹部となって活動を開始していましたが、あるトラブルがきっかけで2人はいなくなり、再び消滅の危機に。

それを阻止したのもロイさんでした。

六代目王子華魂の特攻隊長に

六代目華魂を引き継いだロイさんは、地元板橋でロイさんとともに恐れられていた2メートル近い怪物少年・通称「金閣」さんをスカウトし、六代目華魂を存続させます。

ロイさん・金閣さんのツートップは初代から五代目までの王子華魂トップからも認めら、名実ともに六代目王子華魂の最高幹部になりました。

本来は頭をやる予定だったロイさんでしたが、当時、あまりに事件を起こしすぎていたためにいつバングラデシュに強制送還されるか分からない状態でした。

そのために相方の金閣さんに頭を任せ、自分は特攻隊長の位置になってナンバー2に留まりました。

しかし結局は16歳から約4年間の間、現役を続けて暴れまくったといいます。

六代目華魂のメンバーはたった7名しかいませんでしたが、その凶暴ぶりと相手が誰でも絶対に引かない強気の姿勢で近隣から恐れられました

ロイさんはナイフと鎌を武器に暴れ、警察からも厳しいマークを受けるようになります。

軍事国家バングラデシュで兵役を経験

20歳になった時、ついに限界を迎え、強制送還される危険が高まりますが、焦った父親はロイさんを半ば強引にバングラデシュに戻しました。

11年前(2009年)のことです。

はじめて両親の故郷であるバングラデシュの首都ダッカを訪れたロイさん、父親から「グレた精神を叩き直してやる」と陸軍の訓練施設に送られ2年間の兵役につきました。

そしてここでの経験は、王子華魂の現役不良時代のものをはるかにしのぐほどの凄まじいものだったということです。

発展途上国でバリバリの軍事国家だったバングラデシュ、そこでの軍隊生活は、ロイさんが「軍事施設に人権なんてない」「いくら修羅場をくぐってきたといってもレベルが違った」「毎日が死ぬかと思うような日々」と表現するほどの過酷さでした。

訓練の日々はたとえば次ぎのようなものです。

  • 朝5時半起床、夜は戦争状態でも寝られるように6時間ぶっ続けでスピーカーから爆音が流れる。
  • どこでも生きていけるように泥水を飲まされる。
  • 自由時間は皆無

きわめつけは「犬の飼育」でした。

訓練生に一人一匹子犬が与えられ、戦場でのパートナーになるよう飼うことを命じられます。

ドッグフードもないために自分の飯から餌を分け与え、そのために余計に情がうつり、飼い犬とのふれあいは、辛い訓練の唯一の癒しの時間だったといいます。

ところが犬を飼い始めて8か月したある日、上官から「殺せ」と命令されます。

これは兵士は非情であれと叩きこむための訓練の一環でした。

犬を殺せなかった仲間の一人は、上官がやってきて犬をボコボコに殴って殺しました。仲間は泣きじゃくっていたそうです。

それを見ていたロイさんも当然気は進まないものの、心の中で泣きながら黙って愛犬を撃ち殺しました。

敵対するミャンマーやイスラム国勢力との戦い

戦闘の最前線にも送り込まれ、マシンガンを持たされて「撃ち込め」と命ぜられ、敵の戦車砲弾やライフル弾が飛んでくる中で、撃っている対象が人なのか壁なのかも分からない状態でマシンガンをぶっ放しました

さらにバングラデシュ国内で暗躍するイスラム国勢力との戦闘にも参加し、車両の運転手だったロイさんはいつ死んでもおかしくない状態でした。

しかしそれでも恐怖心も感じないほど感覚が麻痺していたといいます。

精魂尽きて施設に戻りベッドに倒れこんでも、いつも頭に思い浮かぶのは日本の情景でした。

大好きな先輩や相棒の金閣さんと過ごした日々、また一緒に東京の街で暴れたい、でももう帰れないだろう、このまま一生をこの国で兵士として生きるのだろうと思いつつ、日本への帰国に一縷の望みを託して辛い日々を生き抜きました。

帰国、中古車販売会社の社長に

ようやく日本に帰国できたのは兵役を終えて1年がたった時のことでした。

運よく帰れることになったロイさん、しかし日本ではあれから3年が経っており、仲間もバラバラになってすぐには再会できませんでした。

それから5年、北関東で中古車販売会社の社長になったロイさんは、その頃に華魂の先輩や金閣さんと再会できました。

やっと連絡がついて再会できた時には、金閣さんと思わずハグ、兄貴分とも再会して一緒に焼肉を食べて酒を死ぬほど飲んだといいます。

「今までの人生で一番旨い酒でしたね」と言うロイさん。

日本国籍の取得を目指して

現在のロイさんは日本国籍の取得に向けて手続きを進めているといいます。

「やっぱり俺の故郷は日本」と語るロイさん、王子華魂のOBであることを「最大の誇り」、そして「仲間たちは俺のファミリー」と表現します。

そんな誇りを胸にこの国に骨を埋めるつもりのロイさんですが、ヤンチャな道は捨てて「もう大人ですから、真っ当に真面目に生きていきますけど」笑いながらと語ります。

ロイさんが再興した攻弐会はその後も後輩へとうけつがれ、現在は”力持ち”のKAZU(20代)が四代目の頭となって活動しているといいます。

記事は「凶悪な話題で塗りこめられた華魂ヒストリーの中にはこんな異色のサイドストーリーもあるのだ」という言葉で結ばれています。

最後に

さて、『実話ナックルズ』2020年11月号、中国系のイメージがある「ドラゴン」では異色のバングラデシュ人リーダー、ロイさんの物語は如何だったでしょうか。

不良が引退後に会社社長になるという話はたまに聞くことがありますが、リアルな戦争経験の兵役まで経験したという人はかなり珍しいのではないでしょうか。

『実話ナックルズ』2020年11月号では他にも、

  • 元盾の会会員の福田敏夫氏に取材した「蘇る三島由紀夫の遺刀」
  • 日本のアニメ制作が韓国の下請けへの外注されることで、反日やハングルのメッセージが挿入されているという「今、日本のアニメが”反日洗脳”に利用されている」
  • 最近、愛好者に人気だという噂の多摩川河川敷産のマリファナについて調査した「多摩川がマリファナの聖地になっていた?」
  • ナックルズでは珍しい印象も受けるUFO記事「連続爆発事件とUFO」
  • 三浦春馬ら怪死を遂げた多くの有名人たちを扱った「死の真相」
  • 元加茂田組組長・加茂田重政氏の追悼記事「ある大物極道の死」
  • 直近で亡くなられた渡哲也についての記事「渡哲也”大門団長”逝く」
  • 捜査関係者が既に内偵調査も始まっているという「木下優樹菜不倫相手Xがコカイン中毒疑惑」
  • 「宇宙人っているんかな」という相談にお笑いコンビの金属バットが答える「金属バットのやから電話相談室」

といった興味深い記事が掲載されています。

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