カラテカの入江さんをはじめ、雨上がり決死隊の宮迫博之さん、ロンドンブーツ1号2号・田村亮さん、レイザーラモンHGさん、ガリットチュウ福島さんといった吉本を中心としたお笑い芸人たちが、2014年の末に、詐欺グループの忘年会に出席していたことが発覚し物議をかもしています。
このことでカラテカ入江さんが吉本をクビになり、さらにSNS上ではザブングルの加藤と松尾らしき人物の写った集合写真まで出回っている模様です。
この騒動の発端となった詐欺グループは「大野春水」という男が幹部としていた模様ですが、この男について調べてみました。
詐欺集団忘年会にいた現役ヤクザ組員とは?闇営業の場に山口組系組員か
詐欺グループの忘年会は大野春水の誕生会もかねた
忘年会に参加した、詐欺グループの元メンバーが語る。
「12月27日の宴会は、忘年会と大野春水(主犯格として15年に逮捕)の誕生日会をかねて開かれました。主だったメンバー50~60人で、ホテルの宴会場を貸し切りにした。ゲストとして参加したのは、宮迫のほか、レイザーラモンHG(43)、ガリットチュウの福島善成(41)、ロンブーの田村亮(47)、カラテカの入江慎也(42)。それ以外にも、あまり売れてない芸人が2~3人いました。会は19時ごろから2~3時間開かれたんですが、芸人たちは会の後半にサプライズで登場しました」
詐欺集団との仲介役となったのは、カラテカの入江だったという。
引用:フライデー・デジタル
この大野春水とは何者でしょうか?
大野春水とは?
大野春水(しゅんすい)は2015年の逮捕当時27歳。
複数のビルをアジトとして用いて、逮捕時は40人が警視庁の特殊部隊によって一斉に検挙されるという異例のもので、被害総額は約20億円に上るとされます。
ビルのなかから捜査員が連れ出したのは、男女総勢40人。いずれも詐欺や詐欺未遂の疑いで逮捕された。
摘発されたのはすべて同じトップを頂く特殊詐欺グループ。一度の摘発人数としては過去最多だ。捜査2課は、台東区内のビルをアジトとしていた大野春水(しゅんすい)容疑者(27)=詐欺容疑で逮捕=が詐欺グループを主導したとみている。
下は大野春水と一緒に逮捕された、金宣秀(38)容疑者と思われる男の画像です。
大野春水が登場の動画か
今のところ大野春水とされる顔画像は出回っていませんが、それらしき人物が登場する動画があります。
ネット上では下記の動画内で「春水さん!」と呼びかける声が聞こえるとして、赤いジャケットを着ている男が大野春水ではないかと言われています。
この赤いジャケットの人が大野春水? pic.twitter.com/LGqhGng3Rn
— ついったー (@thetwitweet) 2019年6月12日
詐欺集団忘年会にいた現役ヤクザ組員とは?闇営業の場に山口組系組員か
大野春水が詐欺を学んだ「キング」とは?
また産経新聞はこの大野春水について、以前その詐欺グループの末端構成員として関わったことがある「キング」と呼ばれていた男に詐欺のノウハウを学んだ可能性が大きい、と報じていました。
■トップはかつて「キング」と呼ばれた男の部下
詐欺グループのトップは、かつて「キング」と呼ばれた男のもとで、大型の振り込め詐欺事件の末端構成員として関わっていた。
大野容疑者は20億円以上を全国の被害者からだまし取っていたとみられる。この大野容疑者が以前、所属していたのが平成20年に組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑などで摘発された30代男、通称キングだ。
キングは40人超を率いて全国から19億円をだまし取ったとされる詐欺グループのトップ。グループ内を少人数のグループに細分化して「売り上げ」を競わせるとともに、情報の共有を最小限にして、捜査の目も行き届きにくくしていた。
大野容疑者のグループも同様にグループを細分化し、アジトも分散化することでさらに効率化、秘匿化を進めていた。捜査関係者は「『キング』の下で、ノウハウを学んだのは明らか」と指摘する。
大野春水が詐欺を学んだ「キング」は30代の男で、全国から19億円超を集めており、平成20年(2008年)に組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑などで摘発されたということです。
「キング」戸田雅樹は10億円の上納金を得ていた?
調べてみると、この「キング」は戸田雅樹という男だということが分かりました。
詐欺・キング・2008年というキーワードと一致するこのような事件が見つかります。
振り込め詐欺「キング」 上納金10億円
大学生らをメンバーとする10〜12の振り込め詐欺グループを統括し、約20億円を荒稼ぎしていた男が警視庁と埼玉県警に逮捕されていたことが分かりました。
仲間内で「キング」と呼ばれ、約10億円の上納金を得ていたということです。
複数の振り込め詐欺グループを統括する首謀者が逮捕されるのは極めて異例。
不正に得た金の一部が暴力団へ流れた疑いもあり、グループの全容解明を急いでいます。男は東京都府中市無職T(29)=詐欺罪と組織犯罪処罰法違反で起訴。
警視庁捜査2課が昨年4月、詐欺未遂容疑で逮捕した私立大学生M(23)ら3人=詐欺罪などで起訴=を捜査する過程で、グループの頂点にいるTの存在が浮かんできました。
ここでは「T」となぜかイニシャルで報じられており、かつ29歳という年齢でギリギリ30代ではありませんが、この記事が2008年に投稿されているということ、「キング」という名前や「組織犯罪処罰法違反」という罪状などが一致します。
この「キング」はグループで20億の金を集め、そのうちの半分の10億もの金を上納金として自分の収入にしていたといいます。
しかし実際にはその10億から、ケツ持ちのヤクザなどの上部組織に上納していたとも考えられるので、まるまる自分の懐に入れられたわけではないと思われます。
詐欺集団忘年会にいた現役ヤクザ組員とは?闇営業の場に山口組系組員か
「キング」と呼ばれていた戸田雅樹の事件とその下について詐欺の手法を学んだとされる大野春水の逮捕は、時系列的にこのように整理できます。
- 2008年 「キング」戸田雅樹の逮捕
- 2009年3月 戸田雅樹ら詐欺グループメンバーに約1億2000万円の損害賠償判決
- 2010年3月 戸田雅樹に懲役20年の実刑判決
- 2010年4月 同事件に関わった大野春水(当時22歳)らも逮捕される
- 2015年 出所した大野春水が自分が幹部として関わった別の詐欺事件(闇営業忘年会の詐欺グループの事件)で逮捕
約1億2000万円の損害賠償
この「キング」戸田雅樹を中心としたメンバーらは、彼らの逮捕後に詐欺の被害者16人によって訴えられて、約1億2000万円の損害賠償の判決が出たというニュースもあります。2009年3月26日のものです。
「キング」と呼ばれる男を中心にした振り込め詐欺グループのメンバーらに対し、被害者16人が約1億2000万円の損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は請求のほぼ全額を認める判決を言い渡しました。
戸田被告らに対しては被害者が損害賠償を求めて提訴。約1億1200万円の支払いを命じた判決が確定している。
引用:産経新聞
大野春水は22歳時にキングの事件で逮捕
大野春水が「キング」と呼ばれた戸田雅樹の組織で働いていたことを裏付ける他の情報もあります。下記は産経新聞から引っ張ったとおぼしき2010年4月27日付けの記事です
振り込め詐欺グループの統括役で「キング」と呼ばれ、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)罪で懲役20年の実刑判決を受けた戸田雅樹被告(31)の犯行グループの男らが、融資金のキャンセル料として現金を詐取しようとしたとして、警視庁捜査2課と中野署は詐欺未遂の疑いで、いずれも無職の高松聡容疑者(22)、大野春水容疑者(22)を逮捕した。
これは2010年の記事と見られるので、大野春水は2008年に逮捕された「キング」戸田雅樹から2年ほど遅れて逮捕されたことになります。
またこの記事から分かるように大野春水は22歳の時にも逮捕されており、自分が幹部として関わった2015年の事件と合わせて、少なくとも2回の詐欺による逮捕歴があるということになります。
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「キング」は戸田雅樹で懲役20年の判決
2010年3月24日に日経新聞は「キング」戸田雅樹の判決について次のように報じています。
交通事故などを装い39人から計約1億4600万円をだまし取るなどした振り込め詐欺グループの主犯格として、仲間内から「キング」と呼ばれ、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)などの罪に問われた無職、戸田雅樹被告(31)の判決公判で、東京地裁(菱田泰信裁判長)は24日、懲役20年(求刑懲役23年)の実刑を言い渡した。
被害金額が「計約1億4600万円」と先ほどの20億から大幅に減っていますが、これは「立件できたのが約1億4600万円」ということと思われます。
「キング」戸田雅樹は、執行猶予のつかない実刑判決で20年の懲役ということなので、おそらくまだ獄中にいるでしょう。
またこの時の裁判では、起訴状があまりに膨大であるという理由から、法廷での事実認定に微妙な誤りが発見されるという珍しいトラブルがあったようです。
下記の記事は産経新聞の2010年3月30日のニュースとされています。
振り込め詐欺で計約1億4600万円をだまし取ったとして組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)などの罪に問われ、懲役20年が言い渡されたグループ内で「キング」と呼ばれていた元リーダー、戸田雅樹被告(31)の判決で東京地裁は24日、「法廷での事実認定の読み上げに誤りがあった」と発表した。
判決によると、戸田被告は仲間と共謀し、平成18年5月~19年8月、電話で被害者の家族を語るなどして計38人から総額約1億4600万円を詐取するなどした。
地裁によると、菱田泰信裁判長は24日の言い渡しの中で犯行期間を3カ月短く読み上げたほか、被害者も39人と1人多く述べた。
ただ、主文に誤りがなく、法廷で「起訴状通りの認定をした」とも述べているため、改めて期日を定めて判決言い渡しをするなどの措置はとらない。地裁は今回の誤りを、「起訴状が膨大だったため、集計ミスがあった」としている。
大野春水の判決は?
大野春水の判決についても気になるところですが、調べたところはっきりした情報は出てきませんでした。
一時期ツイッターでのつぶやきとして、「20億もの被害を出した詐欺グループの主犯・大野春水は3~4年で社会復帰して芸人を集めて忘年会を開いたことが悔しい」(既に削除)といった趣旨のものがありました。
ここから「大野春水は既に社会復帰している」と推測しているネット上の情報もありますが、該当のツイートは大野春水が2010年に逮捕され、(遅くとも忘年会が開かれた)2014年には詐欺活動をしていたことを指していると思われ、それを誤って解釈したものと思われます。
つまり該当の「20億もの被害を出した詐欺グループの主犯・大野春水は3~4年で社会復帰して芸人を集めて忘年会を開いたことが悔しい」(既に削除)という趣旨のツイートは、
- 20億もの被害を出した詐欺グループ ⇒ キングの詐欺グループのこと
- 3~4年で社会復帰 ⇒ 2010年に逮捕され2014年には詐欺活動をしていた
- 芸人を集めた忘年会 ⇒ 今回問題になっているカラテカ入江ら参加の忘年会
ということでしょう。
大野春水らの事件もキングの事件と同様20億円程度の被害があったとされています。
架空の社債取引を装って現金をだまし取ったなどとして、警視庁など18都府県警の合同捜査本部は17日までに、住所不詳、無職、大野春水容疑者(27)や金宣秀容疑者(38)=東京都新宿区大久保1=ら男女40人を詐欺や詐欺未遂の疑いで逮捕した。嘘の電話で現金をだまし取る特殊詐欺事件で一度に逮捕された人数としては過去最多とみられる。
警視庁捜査2課によると、大野容疑者らのグループによる被害は昨年1月以降で全国の高齢者ら約60人、総額約20億円に上るとみられる。
引用:詐欺グループ40人摘発
普通に考えれば、20億の詐欺被害のキングが1億4600万円の被害で立件されて懲役20年ですから、同程度の被害があった大野春水もそれなりの年数の懲役を科されているはずです。
ましてや産経新聞の2016年2月24日の続報では推定被害金額はさらに拡大し、「40億」ともされているので、なおさらでしょう。
だから逮捕されて4年程度しか経っていないので、既に実刑判決は下って獄中にいると考える方が自然ではないでしょうか。
以上です。