京都市/向日市の救護施設問題 立地条件や説明会や反対派住民の声は?

京都市がホームレス救護施設を建設する件で、隣の向日市(むこうし)が住民が反発しているというニュースが報道された。既視感を覚えるのは、昨年にも南青山で養護施設の建設反対運動が話題になったせいである。

京都市の救護施設建設について詳しく調べてみた。

京都市建設の新救護施設

立地条件

救護施設が物議をかもしたのは、まず京都市の端のぎりぎりの土地に建設されることが、隣接する向日市の反発を呼び起こしたことが挙げられる。

ただそれだけではない。


立地条件として向日市側の小学校が300メートルほどの距離にある。

周辺の施設も、京都市側には農地や工場が多いのに対して、向日市側は住宅街である。何より建設地そのものが高速道路によって京都市からは分離される格好となっている。また最寄り駅は阪急西向日駅であり、施設入所者の生活圏が向日市内になるという予測もある。

建設決定までの経緯は?

ではどのようにして救護施設は建設されることになったのだろうか(参考:京都新聞の記事)。

まず京都市内にも市中央保護所という救護施設があり、それが廃止されることで代わりの施設として今回の地所に建設される、ということである。また現在の市中央保護所は京都駅から徒歩圏内である。

現在の施設の利用者は健康状態が良くない者が7割、50歳以上が半分と、高齢化が顕著に現れている。それを補助するための環境が必要だが、現在の施設が老朽化していることが問題となっている。

現在の施設は個室対応ではなくエレベーターもない。二つの旅館を借り上げた緊急一時宿泊施設もあるが、やはり相部屋が基本で、どうしても入居者同士のトラブルになりやすいという。

そこで京都市は2016年に施設を新設する方針を定め、苦しい財政事情を考慮して国の補助金がもらえる民設で、昨年3月末、新たな救護施設を運営する社会福祉法人を公募した。

公募の要件には法人側が「最寄り駅から徒歩10分程度」の土地を取得することとされていた。応じたのは、京都市中央保護所の指定管理者である社会福祉法人「みなと寮」(大阪府河内長野市)だけだった。

説明会のタイミング

このようなもので必ず問題になるのが、住民説明会が開かれるタイミングである。

京都市が説明会を開いたのは、約1週間後に整地が始まる去年(2018年)11月23日で、やはりかなり遅いく、建設工事の実施から近すぎる。

ちなみにTBSテレビの「ビビット」でコメンテーターをしているカンニング竹山が、この説明会について、「11月23日というと、東京の南青山で児童福祉施設の建設反対問題が起きたころで、京都市はそれで住民説明会を開いたのか」と言ったらしいが、これは考えすぎだと思う。

南青山が話題になったのは10月の中旬ころからで、既に一か月くらいは経過している。

もし京都市が開いた説明会のタイミングが意図されたものだとしても、整地を行う時期からなるべく近いタイミングで急襲的に説明会を開いたと推測した方が自然だろう。

どのような人が入居するのか?

京都市の公式ホームページでどのような人が入居するのか調べてみた。

社会福祉法人みなと寮は「ホームレスや刑務所出所者が入るのか」という質問に対して次のように述べている。

ホームレスあるいは刑務所出所を理由として入所するのではありません。

ホームレスでもいろんな人がいます。その中で、先ほど述べましたように、
害を抱えたり、高齢などで心身機能が衰え、自力で生活できない人が入所対象となります。

刑務所出所者についても同様です。元気な自活していける人は対象外です。

満期出所しても帰るところが無く、引き受け手も無い、障害や高齢のため働くこともできずお金も無い、したがって刑務所しか行き場が無く無銭飲食などの軽微な犯罪を犯してまた、刑務所に舞い戻る、こんなことを繰り返している累犯者が多数刑務所に入っているのが日本の現状です。

救護施設はこういった方々の受け皿としての役割も果たしています。

引用:「建設予定の救護施設について」

つまり、ホームレスや刑務所出所者なら即座に入居候補者になるのではなく、その中でも特に障害や老齢のために生活の補助が必要な人が対象である、ということである。

参考:京都市救護施設等の整備に係る住民説明会開催案内について

向日市の住民の声は?

向日市の建設反対派の声

テレビで報道された説明会の一場面では、治安の悪化を不安視する住民に対して担当者が「万引きくらいはあるかもしれない…」ともらし、説明会に集った住民の失笑が聞こえる場面もあった。

また反対派が開設したTwitterアカウントもある。

みなと寮建設を考える向日市民協議会

世間の声は?

京都市の救護施設問題について、ネット上での意見は分かれている。

ツイッター上のつぶやきを拾ってみた。

京都市への批判の声

向日市の反対派への批判の声

現在の施設を改装すれば済むという声

最後に

南青山の問題に関しては建設反対の住民を批判する声が圧倒的に多かった印象だが、それに比べて今回の京都市・向日市の救護施設問題では意見がバラけているようだ。

現在のところ、京都市が現在の施設の改装ではなく移転ということを選んだ理由が分かりにくいように思う。また整地の一週間前に説明会を開いたのは意図的と解釈されても仕方がないだろう。

そんな小細工をするより、説明を徹底できるようにもっと前に説明会を開き、時間をかけて理解を求めた方が紛糾しないだろうと思えるが、こうした考えは甘いのだろうか。

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