今年(2019年)の8月ごろ、群馬県太田市で、ヤクザの事務所に押しかけて挑発するという動画がツイッターで大きな話題になりました。(動画は下)
(当時の詳しい状況などは下の記事を参照)

しばらくすると、その動画のヤクザ事務所は、六代目山口組・弘道会・野内組・栗山組の事務所で、押しかけた者たちは半グレの「ブラット」のメンバーだったという話が出てきました。
その半グレのブラットのリーダーが、何と2019年11月号の実話ナックルズでインタビューを受けています。
前橋ブラットの総長・黒川の画像
栗山組と揉めた半グレは、群馬県の前橋に本拠を置く、「前橋ブラット」だということが明らかにされました。
そのリーダーは「黒川」という人物だとのことです。「仮名」などという言葉がつけられていなかったことから、おそらく本名の苗字なのだと思われます(下の名前は不明です)。
下記のナックルズ記事の左側に写っているのが、前橋ブラット総長の黒川氏です。
恰幅よく、見た感じの雰囲気では、年齢はかなり若いようです。
実際にブラットメンバーは20歳前後の者が多いようです。
ちなみに、副長は「南」という人物だとのこと。
前橋ブラットの画像
こちらが前橋ブラットのメンバーの画像で、左側に立っている、足に刺青が見える人物が副長の南氏だということです。
栗山組と揉めた半グレ・前橋ブラットの実態とは?
前橋ブラット総長の黒川は、前橋の雑居ビルの最上階にある「ブラット」の事務所で実話ナックルズのインタビューを受けて、自分たちの組織について色々と語っています。
まず、彼はナックルズ記者に対し、「わざわざ来てもらったのは、俺たちはこうして逃げも隠れもできない状況で事実を語りたいってこと」と切り出して話しだしました。
有名になった動画のために、ネット上でヤクザ側が流したであろう一方的な情報が流布されたことが不服だったようです。
黒川は「ネットや週刊誌ではああだこうだ色々書かれてるけど、全部向こうの言い分しか書いてない」と述べた上で、「あの件は自分ら身内がやられたことの大義があって行ったとのこと。
そしてネットでの「ただガキがヤンチャやって街場で粋がってるだけだろ?」という意見に不服を述べ、「自分らは前橋に拠点を構えて、何もひるむことなく堂々と半グレやってる」と言います。
総長の黒川によると、(ナックルズ取材の時点で)組織の歴史はまだ1年ほどで、メンバーは登録制、稼業名・本名などがまとめられた名簿が作られ、正式なメンバーは100名未満です。しかしその周囲の協力者・準構成員が100名以上いるために合わせると200人以上いるようです。
また役職も、総長・副長・本部長とヤクザのようにピラミッド上になっており、指示通達が速やかに伝えられ、時には定例会も開かれます。
「それではヤクザと変わりないのでは?」という記者の質問に、総長・黒川はこのように答えています。
「仕組みは同じだけど実態は違う。『ブラット』はヤクザはやりたくないけどワルはやりたいっていう人間の集まり」だとのこと。
そしてなぜヤクザをやりたくないかも理由は単純で、「このご時世、ヤクザだとすぐ捕まる」というものです。
だから自覚的に「ヤクザと堅気の中間を歩いている」とのことで、総長の黒川は「筋モンからしても堅気からしても『お前ら中途半端なんだよ』って言われるけど、その中途半端さが俺らの強み。持ってるものだってやってることだってヤクザと同じなのに、堅気ともヤクザとも付き合えて色んなシノギができる」と話しています。
また「(自分たちは)オレオレ系の詐欺集団とは違う」として、使いっ走りで仲間を見捨てることはしないというのがポリシーだと語り、体を懸けた仲間には最後までできることをしてやるといいます。
前橋ブラットの喧嘩の仕方とは?
前橋ブラットはどのように喧嘩をするのでしょうか。
それについては「一声かければこないだのカチコミの時のようにすぐ人が集まる」と言います。
そのような数の力で押し切り、場合によっては実際にぶつからなくとも勝つことができる、としています。
道具もあちこちに隠してはいるそうですが、「使わないに越したことはない」と言います。
そこで10年間の懲役に服することになって3億の収益が失われるくらいなら、戦わずに勝つことが「俺らのやり方」と述べています。
さらに記者に「現代の『やったもの勝ち』という時勢を象徴しているようにも見える」と言われた時には、このようにも語っています。
「″やったもの勝ち”というより、″やられたもの勝ち”ともいえるのが半グレ。俺らは筋もへったくれもないからすべてを勝ちにできる。やられた場合は『やったんだからケツふけよ』、ウチから仕掛けた場合は″やったもの勝ち”」
引用:『実話ナックルズ』2019年11月号
前橋ブラットのシノギは?
さらにリーダーが語るには、ブラットのシノギについては禁止事項は一切なく「なんでもあり」です。
ばあちゃんに言えるかっていったら言えねえことしかやってないですよ。
引用:『実話ナックルズ』2019年11月号
自分たち半グレの強みは縄張りがないことであり、シノギの話があるのならば、都内でも神奈川でも行く、極端な話、海外に行くことも厭わないとしています。
また少額のシノギはやらず、「一つ一つがニュースになるようなシノギをかけてく」ということで、だからこそ群馬県前橋という地方にあって、あっという間に名前が広がるようなことになった、ということです。
また前橋ブラットの総長・黒川は、大々的には言えないものの金になるのであれば他組織の内部抗争に手を貸すこともあるといいます。
前橋ブラットとヤクザとの付き合いは?
ブラットはツイッターで有名になった前出の動画でも、自分たちの組織名を「ばばぐみ(馬場組?)だよ!」と名乗っているように聞こえるシーンがあります。
ヤクザとの付き合いはどうなっているのか?
前橋ブラットのケツ持ちなどは決まっているのか?
それについて黒川は、前橋ブラットがヤクザの下部組織だという噂を否定し、上層部がどこの組織寄りか、ということはあっても完全な傘下にはならず、どのような組織とも付き合いができるということです。
ヤクザとの付き合いについては、義理事にも行くし、いい付き合いはさせてもらっているが、そこ以外ではいけないということはないらしく、またヤクザからも「ウチとしか付き合うな」といった制約を課されていることもないそうです。
つまりいざとなればお互いに切り合いっこできる都合のいい関係。自分らはシノギによって乗るか乗らないかだけなんで
引用:『実話ナックルズ』2019年11月号
最後に
総長がヤクザとの付き合いについて語ることには非常にリアリティがあります。
彼らが「半グレ」という中途半端な立場を意図的に最大限利用しているのも確かなようで、このことは、話題になった動画の中で2階にいるヤクザから所属を聞かれたブラットメンバーが、「馬場組だよ!」という怒声とその後に「ブラットだよ!」と答える声の2つがあったことを思い出させます。
ということなので、話題になった動画の音声からブラットのケツ持ちについて話題になりましたが、親しい組織や世話になっている組織はあるものの、ブラットという組織が明確にどこかの組の下部組織ということではないようです。
この記事は以上になります。