くら寿司がバカッター店員に損害賠償請求か?法的処置を明言

くら寿司の運営元である「くらコーポレーション」が、食材の魚をゴミ箱に入れてから拾い上げる動画をSNS上に投稿した店員2名に対し、法的な措置を取ることをホームページ上で明言した。

経緯やサイトの文言、損害賠償の可能性について調べた。

くら寿司バカッター動画

問題となった動画。

くら寿司「不適切動画」で謝罪 ごみ箱の魚をまな板へ
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くら寿司ホームページ

この問題が起こると、くら寿司の運営元はすぐに動いて、公式サイトに該当の問題動画に関する謝罪文を掲載した。

2月6日掲載のお詫び文書

ただその文章はここ最近連続して起こっていた企業の謝罪文と、いくぶん毛色が変わっているものだった。

まず最初の2月6日に掲載された文書。

文書には「類似の事故が様々なチェーン店で多発しており、当社も日頃からその対応を懸命に行っておりましたが、力およばず同種の事件が起きてしまいました」と珍しく別の飲食店でも頻発していることに言及した文言がある。

また「食材は、その場で廃棄処分し提供されていない事を確認致しました」と一応安心させているが、問題はその後。「当社では、この度の事態を重く受け止め、当事者への対応含め、法的に厳粛な対応を進めて参ります」としている。

このところ、すき家、ビッグエコー、ドミノピザと類似の事案が続いているが、運営元が最初の発表の時点で損害賠償請求を匂わせるような「法的な措置」に言及するのはかなり珍しい気がする。

2月8日の動画と勉強会開催報告

翌々日の2月8日にはホームぺージ上で3つも矢継ぎ早に動画・文書をアップしている。

そのうち一つは「信頼回復に向けた取り組みについて」と題された動画である。

信頼回復に向けた取り組みについて

もう一つは、くら寿司の全店員を対象とした携帯・スマホ・SNSに関するルールを再徹底するための「勉強会」の実施説明であり、これは米国や台湾といった海外のくら寿司店舗の店員をも対象にした徹底的なもの。

退職、そして損害賠償請求?

そして2月8日にサイト上で公表されたもののうちでもっとも気になるのが次の文書。

それは「くら寿司守口店における不適切行動をとった従業員2名について」と題されたもので、問題の店員2名への今後の処置に関するものだ。

まず「2月8日をもって雇用契約を終了し、退職処分」と、要は「クビにした」ということをはっきり書くのと同時に、「刑事、民事での法的処置の準備に入った」と(おそらく)損害賠償への具体的な措置に向けて動き始めたと明言しているのだ。

その理由として「くらコーポレーション」は、このような状況で応援してくれるお客様や株主・取引先への責任を果たして、くら寿司で働く多くの店員の信頼を回復するため、そして昨今頻発する飲食店でのSNS事件の再発防止・抑止力強化のため、としている。

ネット上では当事者への処罰感情もあって、バカッター事件のたびに「損害賠償しろ」という賠償論が必ず出ていたが、実際に被害にあった企業がそのような動きを確言した上で見せ始めたということは特筆すべきことだ。

くら寿司バカッター店員・損害賠償の金額は?

もし損害賠償請求がなされるとすればどの程度の金額になるのだろうか。

このバカッター事件のためにくら寿司の株価は急落し、27億円もの損失が出たという。

こうした損失の大きさもあって、ネット上ではどうしてもこのような機会には煽り記事が増えて「何十億・何億の損害賠償」という大きい話になりがちだが、さすがにそのような金額が請求できるとは思えない。

そして株価は所詮上がったり下がったりするものだから、今回下降した金額が丸ごと請求金額に反映するとは考えにくい。

以前店主が自殺にまで追い込まれた蕎麦屋のバカッター事件ですら、該当の店員たちが訴えられて請求された金額は1385万円で、最終的に主犯130万、他は20~30万程度の賠償でしかなかったことから、あまり大きな数字を想像すると拍子抜けさせられるかもしれない。

この「1385万円」の請求、主犯130万の支払いというところから類推するに、実際に請求される金額と落としどころとして支払う金額は、十分の一程度になってしまうということだろうか。

完全に前例を踏襲した決着になるとは思えないが、バカッター事件の結果に比して、大きな金額を引き出すのが難しいのは確かなのだろう。

ただ今回の件が今までと異なるのは、くらコーポレーションのような大きな企業が、かなり本気度の高いことを思わせる構えで法的な措置に臨むということだ。

【追記】専門家の見解によると?

テレビのニュース番組での専門家(若狭勝弁護士)の話では、くら寿司のケースで確実に取れるのは150万程度で、それ以上の部分は損害との因果関係の立証にかかっているという。

株価の27億円の下落については、若狭氏は「株価の下落は、賠償額を考慮する材料になる。収益減との因果関係が立証されれば、かなりの額を求められる可能性がある」と述べている。この因果関係の立証如何で、金額は小さくも大きくもなるようだ。

もっとも、最少額の150万にしても安くはないのだが。

くら寿司がバカッター店員に損害賠償請求か?法的処置を明言まとめ

今回のくら寿司のバカッター事件の関係記事によれば「広報担当者によると、従業員らは憔悴しきってまともに話すことができない」というから、それが分かった上での今回の措置はかなり厳しいものだと思う。

身から出た錆とはいえ問題店員には気の毒なことだが、このような措置を、くらコーポレーションが業界全体や社会のことを鑑みて自覚的に踏み切ったというのは興味深い。

今後の経緯も注意して見ていきたいと思う。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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