工藤明生は実在した 非実在説と工藤明男 一条葵との交際について

ネット上でかなり以前から、その裏社会での大きな力を持つ者として囁かれてきた人間に、「工藤明生」なる人物がいます。

この工藤明生は、その大きな権力を畏怖の念をもって語る人がいる一方、人によっては「存在しない」と主張し、存在を信じる人を嘲笑されることもしばしばありました。

さらには「工藤明生は存在しません!」と注意喚起するネット上のページまで現れ、一時は「存在しない説」はかなり優勢にも思えました。

加えて、この「工藤明生は存在しない説」は、関東連合元幹部の柴田大輔氏が「工藤明男」というペンネームを用いて著書を書いたことから、余計に「非実在説」は多くの人によって信じられました。

ところが、あのヤクザライター・裏社会専門の書き手である溝口敦が、工藤明生本人に直接取材し、それをもとに仮名(工藤明生⇒本藤彰)を用いつつも『詐欺の帝王』(2014年)なる著書を書いたことから、実は実在していたということが明らかになっています。

さらにアウトロー誌『実話ナックルズ』は、「歌舞伎町五人衆」の話題でともに名前が挙がった繋がりから、工藤明生と「歌舞伎町阿弥陀如来」藤井学の対談を誌上で実現させています。

工藤明生と藤井学「歌舞伎町五人衆」対談『実話ナックルズ』記事全文

この記事では特に溝口敦の『詐欺の帝王』を中心に参照しつつ、工藤明生とは如何なる人物なのか、その実像をまとめました。

工藤明生は実在しない説

工藤明生は長い間、根強く「実在しない説」がありました。

その「実在しない説」形成の世論に一役買ったものとして、次のような「注意喚起」ページがありました。(このページは『詐欺の帝王』でも言及されています)

出典:yourpedia

下に書かれている注意書きには、

このような人物は実在しません!このような馬鹿げた架空のマスコットや「歌舞伎町五人衆」などという架空の勢力をこうまで周到にデッチ上げてきたのは実在の反社会勢力たとえば活動中の振り込め詐欺団ないしは闇金融グループなどの可能性があります!

とあります。

つまり工藤明生は実在せず、その実在しない「工藤明生」の存在を信じることで、本当に実在する反社会勢力がカモフラージュされて、そこから目が逸らされて見逃すことになってしまう、と言っているのです。

しかし、繰り返しますが工藤は実在しました。

それどころか、まさにここに書かれているのとは反対に、「振り込め詐欺団」や「闇金融グループ」が工藤明生の存在を作り上げたのではなく、逆に工藤明生自身が大規模な「闇金融」と「振り込め詐欺」の大元締めのような存在だというのが真相でした。

結局、そう考えるなら、このように必死になって「工藤明生・実在説」の火消に努めた者たちこそが、工藤明生が自分の存在を隠すために命じた情報処理班、もしくは情報処理を依頼された会社組織の者だったのではないかと思えます。(実際に後者については、匿名掲示板で存在を指摘する声もありました)

柴田大輔の筆名「工藤明男」と工藤明生

さらに一部で工藤明生・実在しない説に拍車をかけたと思えるのが、柴田大輔が著書『いびつな絆』などで使った一文字違いのペンネーム「工藤明男」でした。

多くの人が誤解している可能性がありますが、実は柴田大輔(筆名:工藤明男)ですら、『いびつな絆』で工藤明生の存在自体は否定してはいません。

柴田大輔(筆名:工藤明男)が『いびつな絆』の中で工藤明生について言及する該当箇所は、このように書かれています。

実は私のペンネーム「工藤明男」は、ネット住人の妄想によって作り上げられた”関東連合の黒幕”「工藤明生」のパロディーである。

「工藤明生」と検索すると、某タレントの愛人説や五菱会系の闇金融出身で暴力団、電通、政界までも裏で牛耳る日本社会の闇のフィクサーのように紹介されている。

それも、関東連合の実在する大幹部と並べて紹介されているのだから、嘘と真実が混在するかたちとなり、タチが悪い。

はっきりと断っておくが「工藤明生」などという人物は、それが偽名や稼業名(暴力団などがその世界でだけ使う名前)であったとしても、少なくとも関東連合の中には存在しない。

警察や大手新聞社の記者でさえ「関東連合の『工藤明生』は実際にはどんな奴なんだ?」と聞いてくることがあるが、そんな人間には実際に会ったことも、見たこともない。

もっとも、オレオレ詐欺の頭領として大金をつかみ、数年前まで歌舞伎町のキャバクラで派手に飲んでいた「工藤」を名乗る男の噂は耳にしたことはあるが……。

引用:工藤明男(柴田大輔)『いびつな絆』

最後の一文まで追っていくと、実は柴田大輔が否定したのは、当時、ネット上の膨らみ切った虚像の中で無理矢理に「関東連合の黒幕」と決めつけられた、「関東連合の黒幕としての工藤明生」であって、「工藤明生という存在それ自体」ではありませんでした。

しかし、この「微妙な違い」は伝わりづらかった可能性があり、この著書によってなおさら「工藤明生・実在しない説」は勢いを増したのではないかと思えます。

その証拠として未だに、ネット上では柴田大輔の筆名としての「工藤明男」と、闇金・詐欺グループの元締めとしての「工藤明生」を混同している人がいるようです。

それだけでなく、以前関東連合のトップだった「川名毅(川奈毅)」に関する噂らしきものまで混ざって、3人が一人の人物にされている場合すらあります。

ちなみに柴田大輔(筆名:工藤明男)の『いびつな絆』は2013年の出版、溝口敦の『詐欺の帝王』は翌年の2014年の出版です。

さらに溝口は『詐欺の帝王』の中で、「工藤明生」ではなく「本藤彰」という仮名を用いているので、出版してもすぐには工藤明生の実在がほぼ確定したということに、世間やネット界隈が気づかなかった可能性もあります。(それどころか出版後も、匿名掲示板では、優勢となった「非実在説」を信奉するあまり、溝口敦がでたらめを書いていると主張する人もいたようです)

おそらく2014年時点では、前年にセンセーショナルな『いびつな絆』を出版した工藤明男(柴田大輔)の方が注目されていたため、余計にしばらくの間は「非実在説」の影響は強かったのではないかと思えます。

ただ2019年現在は、5年前に出版された溝口敦の『詐欺の帝王』の内容・知識の普及や、さらには『実話ナックルズ』2019年2月号で顔出しこそしないものの「実物の工藤明生」の写真まで撮影されているので、いまだに「非実在説」を信じている人はまずいないか、いたとしても相当な少数派だと思われます。

工藤明生は実在した その外見・画像

そして工藤は『実話ナックルズ』の藤井学との対談で顔出しなしですが、写真を撮影させて掲載されています。それがこちら。

また溝口敦は2014年の出版の『詐欺の帝王』の中で、本藤彰(=工藤明生の仮名・以下、引用以外では「工藤明生」と表記する)についてこのように描写しています。

本藤彰は三〇代後半、一七八センチと背が高く、弁舌はさわやか。暴力臭はまるでなく、知的に諄々と説得していくタイプと見受ける。頭は非常に切れ、カタギのどんな仕事についてもきちんとこなしただろうと思わせる。

引用:溝口敦『詐欺の帝王』

工藤明生と女性 一条葵や女性芸能人

ついでに、工藤明生と噂された女性についてもまとめておきます。

工藤明生の女性関係の噂で名前が挙がった女性は複数人おり、中には有名な芸能人もいたようです。もちろん、実際に付き合っていたか真偽は不明です。

一条葵

まずは「歌舞伎町の女王」として知られた有名キャバクラ嬢である一条葵がいます。


出典:インスタグラム

これに関しては信ぴょう性が高く、ほぼ確実で真実と考えていいと思います。

溝口敦の『詐欺の帝王』でも一条は「三条杏」という仮名で登場し、彼女の誕生日に工藤が店で2800万円を使った話や、ヘリでディズニーランドに乗り付けて、7時から8時もしくは8時から9時の間で1時間だけ園を貸し切りにしたという驚くような話も載っています(通常、ディズニーランドは朝8~9時の間に開園)。

しかし当時、工藤は1週間の収入だけで7000万円もあったので、これにかかった総費用が3000万だったか4000万だったかは忘れてしまったといいます。

平愛梨や菜々緒も噂に?

さらにネット上では、現在はサッカーの長友佑都選手の妻になっている平愛梨、またモデルの菜々緒などが愛人だったともされていましたが、こちらについては真偽不明で、あまり信用しない方がいいかもしれません。

これについては否定派は、「(無関係なタレントへの)風評被害」という言葉が使うこともあります。

ちなみに芸能人女性との付き合いについて、工藤は『実話ナックルズ』の対談の中で、「けっこう有名な芸能人とも付き合ったことあるけど、そっちは(ネットに)書かれてない」とも話しています。

工藤明生と藤井学「歌舞伎町五人衆」対談『実話ナックルズ』記事全文

また現在の工藤は既婚者であり、2009年から2010年にかけて入退院を繰り返した時期によく尽くしてくれた女性と結婚したといいます。

以上になります。