関東連合・鬼面党の西山友紀は、宇田川警備隊6代目総長・小山恵吾との直電動画内で、関東連で喧嘩が強いことで名が売れていた人物について「柴田(大輔)は俺よりは弱い」「宮園にはタイマン勝てるね」と、自分の方が喧嘩では上であることを話しました。
さらに「俺の代の関東連なら俺が一番強い」と率直に語り、その腕っぷしへの自負・自信を隠そうともしませんでした。
ところが、そんな西山が唯一勝てないと認めた関東連メンバーがおり、それが伊藤リオンです。
「俺は伊藤リオンには勝てないと思うよ。あいつムチャクチャ強いぞ」(西山の言葉)
この言葉を受けて、5ちゃんねるアウトロー板などでは、「西山ですら『伊藤リオンに勝てない』って認めた以上、関東連合で最強は伊藤リオンで決まりだな」という声も聞かれたほどでした。
たしかに今までも伊藤リオンは「強い」と認知されてきましたが、「西山が『勝てない』と認めるほどとは」と、この言葉は多くの視聴者にとって印象深かったのではないかと思います。
そんな伊藤リオンの強さ・喧嘩の話などを、ここではまとめてみました。
【関東連合】伊藤リオンの強さ|3つの喧嘩の動画【頭蓋骨にヒビを入れるほどのハードパンチ】【鬼面党西山も「勝てない」と認めた関東連メンバー】
母子家庭育ち、サッカーエリートだった伊藤リオン
ついでなので、まず主なテーマの喧嘩とはあまり関係のない部分での伊藤リオンの情報を簡単に説明しておきます。
- S58(1983年)生まれ
- 東京都杉並区出身
- 両親は離婚し、母子家庭で育つ
- 小学校5年生頃にヴェルディ川崎(現在の東京ヴェルディ)の下部チームだった、ヴェルディ・ジュニアに入団し、FWでレギュラーを獲得
- 1996年に東京都杉並区富士見ヶ丘中学に入学
- 運動神経がよく、50メートルを5秒台で走った
- 練習をしなくてもサッカーが上手く、練習時間中にゲームボーイで遊ぶほどだった
- 千歳台ブラックエンペラーに所属、その後、宮前愚連隊メンバーになる
- 2010年に市川海老蔵暴行事件を起こして、翌2011年から服役
- 市川海老蔵事件の時に既に妻と1歳の双子の子供がいた(現在は12歳くらいか)
- 出所後にヤクザ組織・山口組系「大同会」傘下「笹原會」の構成員となる
- 2年後の2014年に組織を破門される
さらに伊藤リオンはヤクザに所属したという情報の他に、出所後に関東連のために服役したという功績からシノギが与えられ、都内で飲食店を経営するなどかなりの経済力を持ったそうです。
元ヤクザ作家である沖田臥竜の後輩は関東連メンバーと付き合いがあり、彼が上京した際にリオンが空港までヘリコプターで迎えに行き、思わず「凄いですね」と口にしたところ、リオンは「ノリですよ」と笑って答えたといいます。
頭蓋骨にヒビを入れるほどのハードパンチャー
伊藤リオンはハードパンチの持ち主で有名で、これはあくまで噂ではありますが、本気のフルスイングなら人体の中でも特に骨が固いといわれる頭蓋骨すら割る(ヒビを入れる)ことができたほどだといいます。
リオンの「生まれつきの運動神経が良かった」という情報は、このリオンの頭蓋骨を割るほどのハードパンチを持っていたという説に説得力を持たせます。
同じくハードパンチで知られる不良の所沢のタイソン(久保広海)も、身長が高くないにも関わらずダンクシュートができるほど運動神経が良かったそうで、この「生まれつきの身体能力の高さ・運動神経の良さ」はハードパンチャーに共通する要素なのかもしれません。
下は伊藤リオンの若い頃の写真としてネットで出回っていたもので、画質は非常に悪いですが、非常に筋肉質な体をしているのが確認できます。
この体が全力で繰り出すパンチを想像すれば、リオンのパンチ力が凄まじいものであったことは容易に理解することができます。
「伊藤リオン」の名が市川海老蔵暴行事件で知れ渡る
そんな伊藤リオンのハードパンチが社会的に耳目を集める大きな事件に繋がってしまったのが、2010年11月25日に起きた市川海老蔵暴行事件でした。
リオンは2年先輩の石元太一とは仲が良く、石元太一の著書にも彼が登場することで分かるように、2人はよく一緒に遊んでいたようです。
市川海老蔵暴行事件は、そのリオンの先輩である石元太一と一緒にいた時に起きました。
海老蔵が伝統芸能である歌舞伎における才能あふれる人物であるのは確かですが、彼は非常に酒癖が悪いともいわれており、事件の一つの原因として、その海老蔵の酒癖の悪さが祟って起きたとされています。
市川海老蔵・石元太一と伊藤リオンの3人は、西麻布の「バルビゾン27」で同席します。
諸説あるものの、酔った海老蔵は石元と伊藤リオンの二人と同席したこの酒の席で、灰皿にテキーラを入れて飲ませようとする、頭を叩く、暴言を吐くなどの振る舞いをしたといわれています。
そして酔いつぶれたのか、頭を伏せた石元の髪の毛を海老蔵が「寝るんじゃない、大丈夫か?」と言って引っ張ったこと、あるいは石元に頭突きをしたことが切っ掛けでリオンは切れてしまい、海老蔵に激しい暴行を加えることになります。
結果、海老蔵は左頬陥没骨折、前歯の損傷、左目内出血、鼻、顔全体の腫れなど、医者には全治2か月(全治約6週間とも)と診断されるほどの大怪我を負いました。
海老蔵は事件4日後に顔面整復手術を受け、12月7日に左目に充血がある状態で会見に臨み、世間の同情を集めます。
そして2010年12月10日にリオンは逮捕されます。

逮捕時の画像
しかし、「発端は海老蔵の乱暴な振る舞いにある」「リオンは石元を守っただけだ」と松嶋クロスを中心とする関東連合メンバーは不満を持ち、彼らによる海老蔵へのネガティブキャンペーンも行われます。
これに事件現場の飲食店店長が協力したこともあり、海老蔵の酒癖の悪さが次々に暴露され、その効果もあってか海老蔵・伊藤リオンの被害者と加害者間では示談が成立します。
しかし、2011年3月14日の裁判の判決では伊藤リオンに懲役1年4カ月の実刑判決が下り、さらに同月3月末には控訴取り下げを行って、彼は刑に服することになりました。
伊藤リオンが絡む3つの喧嘩とその時の動画
通常、武勇伝を持つような有名な不良でも、そうそう動画などで喧嘩をするシーンは見られないものですが、偶然にも伊藤リオンには3つの有名な喧嘩の時の動画が残されています。
石元太一と伊藤リオンのイベントでの喧嘩動画
まず一つ目は石元太一と伊藤リオンのイベントでの黒人セキュリティとの喧嘩動画です。
動画は短いものですが、リオンは凶器の酒瓶を取るのに邪魔だった人に「どけどけ」と声をかけ、その後、テーブルを酒瓶で「ドン!ドン!」と叩いて相手の黒人男性を威圧している様子が確認でき、動画は最後に石元が瓶を投げる様子で終わっています。
この動画の伊藤リオンは、乱闘の始まる気配に楽し気で、鼻歌でも歌いだすのではないかというほどリラックスしており、好戦的になり滾(たぎ)っている様子の石元太一とは対照的です。
こちらの動画は当然ながら、関東連合が六本木の人違い殺人事件で自壊する前のもので、関東連が都内でもっとも勢いのあった時期のものだろうと思います。
どの著書内でか失念しましたが、石元の先輩である柴田大輔(筆名:工藤明男)は、当時の石元について、「喧嘩の後始末は誰かが勝手にやってくれると思い込んでいる」「後始末を考えずにやたら喧嘩をする」といった愚痴めいた批判を書いていた記憶があります。
しかし現役時に厳しい活動をさせた分、そうした後輩の行き過ぎについては多めに見ようという風潮も関東連内にあったらしいです。
動画はそのような石元の「イケイケ時代」のもので、当然石元と仲の良いリオンも、そういう先輩の行き過ぎを止めることもなく、むしろ積極的に一緒に喧嘩に加勢した様子が先の動画から伝わってきます。
2017年の沖縄での喧嘩動画
リオンは2017年、2018年と連続で沖縄で喧嘩に巻き込まれています。
まず2017年の喧嘩動画ですが、実際には喧嘩というより、熱くなっている相手方の沖縄の人間をなだめているだけのようです。
動画説明欄には次のような文言があります。
伊藤リオンが暴れ、飲食店【キャバクラ】で一升瓶を使い、男性、流血負傷、その後に、警察【沖縄県警察】が、伊藤リオンをマークしながら追跡途中、沖縄ヤクザ、と揉め合いになり、【喧嘩】
場所は、沖縄県、松山、ラーメン屋【竹虎】前、
6月28日の午前3時。
しかしこの事件については、ホテルで寝ていたリオンに関東連の仲間が「仲間が喧嘩になっている」と声をかけられ、それを止めるために着の身着のままで飛び出していったという説があります。
そして現場で喧嘩の相手をなだめている様子が撮影された、ということのようです。
おそらく動画説明欄の人は、事件の日時や場所については正しいでしょうが、内容については又聞きされるうちに大袈裟になった噂をそのまま書いただけなんじゃないでしょうか。
本当にリオンが一升瓶で殴っていたのなら、警察が来た時点で逮捕されるはずであり、警察がリオンらをすぐに止めずに遠巻きに見ている様子からもそう思えます。
沖縄旭琉会ナニワ一家のヤクザとの喧嘩
さらに伊藤リオンは翌年2018年5月30日に沖縄ヤクザの旭琉会(旭琉會)系組員と揉め、その動画がネット・SNSで出回って大きな話題になりました。
次の動画では、スタンガンで気絶させられたリオン側の男性が頭を蹴られている様子が映されています。
45秒ごろ、「沖縄で威張って歩くな!」という声。
1分30秒ごろ、白い服の男性(沖縄の人?)がリオンと沖縄ヤクザの間に入ってリオンを守ろうとしている様子です。
2分25秒ごろ、相手のフルスイングをリオンが頭を下げてかわします。
次の動画でも、リオンと地元のヤクザ・旭琉會の構成員がスタンガン・金属バットなどを用いて乱闘をしています。
上の動画14秒頃からたびたび「バチバチ」と聞こえる音はスタンガンの音だそうです。
こちらの動画でも45秒ごろから「バチバチ!」とかなり派手にスタンガンの音が聞こえます。
1分ごろに倒れた男(リオン側の人間)の頭を相手が踏みつけています。
2分8秒ごろ、リオンを沖縄の男が蹴りつけています。
2分58秒ごろ、男性のフルスイングのパンチをリオンがかわします。
こちらの動画では冒頭からリオンの声なのか「勘弁してください、勘弁してください」という声が聞こえます。
2分頃に撮影者の声らしき「包丁持ってるよ、包丁持ってるよ」という言葉が聞こえます。
終盤でリオンらしき男がパトカーに乗せられて終わっています。
煽りタイトルで「伊藤リオンがボコられる」というものが多いですが、実際にはリオンは下がりながら攻撃をかわして一発も致命的な攻撃を食らっておらず、沖縄ヤクザのイケイケ度合いもさることながら、リオンの喧嘩慣れ度合いも印象的な動画です。
動画を見た人の感想でも「リオン全然ボコられてなくて草」「リオンの喧嘩慣れww」といったものが見られました。
ただ幾ら喧嘩慣れしたリオンでも、仲間がやられるような状況では肝が冷えたでしょう。
トラブルの経緯
この乱闘が起こった経緯について、ネット掲示板からの転載らしき記述で事実かは不明ですが、このようなものが見つかりました。
それによれば、リオンらは3~4人で飲んでいたそうです。
369 名前:名無番長[] 投稿日:2018/06/04(月) 16:14:06.06 0
その場に居た者だが知ってる事を少々。リオン達はキャバで飲んでて店の女の子や従業員に暴言吐いたり、横暴な態度取ってて店の従業員がケツ持ちに連絡して近くで飲んでたナニワ一家の若い奴らを呼んで外で待たしてて注意させようとしたら、リオンの関係者が喧嘩腰で来た為言い合いに。
それでリオンの関係者が殴りかかって来たのでバットで殴られて失神。もう1人のリオンの仲間は止めようとして、スタンガンでやられ顔面サッカーボールで失神。
その後はリオンは防戦一方。
最後、リオンの仲間が警察が来るのを待って包丁出して逮捕。以上。
370 名前:名無番長[] 投稿日:2018/06/04(月) 16:21:00.89 0
ちなみに、このナニワ一家の若い奴らは近くで飲んでてフラフラで来てたからグダグダになってた感じ。あの時、ナニワ一家の若い奴らがシラフだったら多分リオン達は死んでた思う。
ナニワ一家の後輩達が止めてたし、リオン達は運が良かったなと思った。
松山ではよく本土の人が調子に乗ってこんな感じで血まみれになる事は良くある。
沖縄の不良は後先考えず無茶苦茶やるから気をつけたほうが良い。
ケツ持ちとか全然気にしないからその辺もまた怖い。
この書き込みを信じ、なおかつ想像で補うなら、事の経緯はこうでしょう。
- リオンらは少々沖縄で羽目を外して行儀の悪い飲み方をしてしまい、ケツモチの旭琉会ナニワ一家のヤクザを呼ばれてしまう。
- リオンの仲間は激高した沖縄ヤクザらにスタンガンやバットの攻撃でやられてしまう。
- 特に喧嘩の経験値と身体能力の高いリオンは、何とか攻撃をかわしながら警察が来るまで持ちこたえ、大怪我することなくその場は何とか幕引きになる。
こういうことだったようです。
ちなみに「ナニワ一家」は「浪速」や「難波」の字ではなく、実際にカタカナで「ナニワ一家」と表記するのが正式名称らしいです。
乱闘に加わったナニワ一家の構成員4人が逮捕された
また動画の乱闘をした沖縄ヤクザらは後日、逮捕されたそうです。
次のネット記事はおそらく乱闘が起こった2018年6月の『沖縄タイムスプラス』のものです。
沖縄県警は3日、共謀して県外に住む飲食店従業員男性(36)を金属バットなどで殴りけがを負わせたとして、指定暴力団旭琉會二代目ナニワ一家構成員の男4人を傷害などの疑いで逮捕したと発表した。県警は捜査に支障があるとして、認否を明らかにしていない。組織的犯行の可能性もあるとみて、動機などについて捜査している。
凶器準備集合と傷害の疑いで逮捕されたのは、42歳、33歳、30歳のいずれも那覇市の無職の男3人。別の1人(38)は傷害容疑で逮捕された。
逮捕容疑は5月30日午前3時ごろ、那覇市松山の路上で、金属バットやスタンガンのようなものを使って暴行を加え、頭部や両腕の打撲などを負わせた疑い。
逮捕された中には42歳と38歳の人もいて結構いい年に思えますが、そういう年齢でも沖縄ヤクザというのはあそこまで激しい喧嘩をするというのがあらためて驚きです。
上層部の話し合いで揉め事の発展はなかった
さらにこの騒動の後日談として、この時、実はリオン側の仲間にも(関東の?)ヤクザ組織の人間がいたこと、しかし上層部の話し合いで揉め事が発展することはなかったことを、元ヤクザの作家である沖田臥竜が『ビズジャーナル』で記しています。
「地元組織の関係者からすると、これまでのリオン氏らの態度が目に余るものがあったのではないか。乱闘の際には、リオン氏サイドには、別組織の組員もいたことから、大きな騒動になるのではないかと危惧された。それに、リオン氏自体が関東の武闘派組織に在籍しているなんて話もあった。現にその組織が事件の翌日に沖縄に飛んだという噂も出た。ただ聞くところでは、それはリオンが在籍していたからではなく、あくまで個人的な関係で彼の身を案じて、関東の組織の人間が動いたらしい」(他団体の幹部)
この事件では、地元組織である旭琉會系組員らが逮捕され、牛刀を出して応戦したとして、リオン氏側からは別の武闘派組織の組員が逮捕されている。ただ、関係者の話によれば、上層部による話し合いはすでに終わっており、組同士の抗争などに発展することはないはずだという。
関係する組織名がどこも超がつくほどの武闘派だっただけに、一時は関係者の間で緊張が走った今回の騒動。どれだけヤクザに対する厳罰化が進んだとしても、血気盛んな組員たちの衝動を止めることは難しく、こうした乱闘事件は今後もいつ起きてもおかしくはないといえるだろう。
(記事おわり)