カネカが元社員の妻と思われるツイッターアカウントに、「パタハラ」(=育児休暇を取る男性などに嫌がらせや差別的発言をする「パタニティ(父性)ハラスメント」)を訴えられて炎上しました。

炎上の過程でカネカのホームページに多くのアクセスが集中すると、育休に関するページが見られないという事態が発生したために余計に疑惑を招きました。
これは「カネカが育休取得のページを削除」ということで物議をかもしましたが、カネカはこれを「単なるシステム障害」としました。
カネカの弁明は? また社員に弁明のメールを送ったというニュースもありましたが、この社員への弁明のメールとは?
これらを調査してまとめました。
東京着くなり目の前に今話題の…#カガクでネガイをカナエル会社 #カネカ pic.twitter.com/pwokQrUF3W
— bunchan (@hirobunchan) 2019年6月4日
カネカ育休取得ページ削除?
#カガクでネガイをカナエル会社
・報復人事が原因で炎上した事に対する対応策が「育休取得可能のページを削除」
・日曜日昼間にも関わらずホームページの一部が速攻削除されたという事は「社員の休日出勤が常態化している可能性がある」上記2点だけでアカン会社だって充分伝わったわ
— 葉月 (@juhazanyamete) 2019年6月2日
騒動から割と素早く育休のページを削除している辺りに闇を感じる。つつかれるとまずいから消す訳でしょ。フォロワーさんにも就活生の方がいらっしゃるのでRT。こういうのもアンテナ張ってできる限り自衛して欲しい。会社や大人は嘘つきだからね!
— のののMATE❤︎RTF( ・ᴗ・ )⚐⚑⚐゛ (@oFmMi1123_24) 2019年6月2日
カネカの件、正直労働者側の意見だけでTwitterで燃え始めてた時は「どこまで事実なんかなぁ」」様子見だったけど、そこからの対応がHPの育休ページの削除という最速の答え合わせを見てしまった。#カネカ#カガクでネガイをカナエル会社 https://t.co/TLbsUeUzLz
— サヴァン (@blackre6) 2019年6月2日
#カガクでネガイをカナエル会社 の男性育休問題、会社HPの育休ページ削除して逃げに走るとか謎すぎる
— なつゆき (@c_p_mntbrca) 2019年6月2日
#カガクでネガイをカナエル会社
すごいな!
有休消化させないどころか、退職日まで会社が指定?は?普通に労基違反じゃないの?
しかも早速、自社HPから育休に関するページを削除とな!
わーーーおっきい会社はやることが違うね!!
あと、くるみんは当てにならない、と。— 夏野 (@natsu_ice4U) 2019年6月2日
公式ホームページの対応をみると隠す体質なのかとますます危機管理体制が心配になる。
育児介護等ワークライフバランスに関連するページ削除は今の時代にやってはいけない。
現在就職活動中の学生は見ている。やましいことがあると思わせるだけ。#カガクでネガイをカナエル会社
— yuichiroyummy (@yuichiroyummy) 2019年6月2日
ホームページも落ちた?
またカネカのホームページそのものも、一時見れなくなったということです。
しかしそれについても「意図的にブロックしていたのでは」という疑惑が出ていました。
育休で炎上気味のカネカのホームページ見に行ったら落ちてたw
— ZENSHOJI.inc 🌏 (@ZENSHOJI) 2019年6月2日
カネカ炎上、ホームページのトップだけ見れないが他のページは見れるので「意図的にホームだけブロックしてる」っぽいね
— ヒート<ざ・おにぎり>マシン (@heat_machine) 2019年6月2日
#カガクでネガイをカナエル会社 のウェブサイトが落ちてるって話だけど、トラフィックとかHTTPサーバーエラーとかじゃ無くて中々珍しい。
「Error establishing a database connection」という文字列を出力するページを正しく表示してるんだよね。
だから下層ページはラグ無く綺麗に表示される。 pic.twitter.com/UkMST8rRTx— 紅い猫足_写真 (@akaneko_photo) 2019年6月2日
カネカ、トップページは落ちてるけど『企業情報』とか『事業・製品』とかからは入れるので全体落ちたのではなくトップページだけ『落とした』疑惑。こすっからいな。#カガクでネガイをカナエル会社#カゾクのネガイはカナエナイ会社
— 鷹まさき (@takamasaki) 2019年6月2日
カネカはシステム障害と説明
しかしカネカは、育休のページは削除しておらず、2月にホームページをリニューアルしたことにともなう混乱だと説明しています。
出典:カネカ
6月2日のシステム障害について
2019年6月3日
昨日はアクセスの集中により一時的に当社HPに繋がりにくい状態が発生しておりましたが、
現在は、能力増強など実施し、安定運用に努めております。また昨日ワークライフバランスの項目については、HPを削除しておりません。
2月にHPをリニューアルし、内容を再編いたしました。
ワークライフバランスについては、採用情報『多様性の推進に向けて』の中で引き続きご説明しております。
内容は、ライフイベントとキャリアの両立支援についてまとめております。
2月にHPをリニューアルした際に、旧サイトは全て削除するべきところ、一部が残ってしまいました。
混乱を招いたことについてお詫び申し上げます。引用:カネカ
しかしワークライフバランスについて採用情報『多様性の推進に向けて』で説明しているとしていますが、下にスライドして見つかる「採用情報」のページには「新卒定期・通年採用」「キャリア採用」の2つの選択肢があるだけで「多様性の推進に向けて」は見つかりません。
どうなってるのかと思いますが、さらに「新卒定期・通年採用」に進むと、左側のメニューにまた「採用情報」があり、その中のメニューにようやく『多様性の推進に向けて』が見つかります。
出典:カネカ
最初は「嘘をついてるのか?『多様性の推進に向けて』なんてどこにもないじゃないか」と思ってしまいそうになりますが、一応本当に『多様性の推進に向けて』というページはあるようです。
しかし単純に分かりにくい。
こうしたウェブ構築が得意な社員がいないのか、もしくはかなり混乱して支離滅裂なことになっているのか分かりませんが、このような時ですから、痛くもない腹を探られたくないというならもう少し丁寧に説明してはどうかとも思います。
カネカ広報はホームページ削除疑惑を否定
また日経ビジネスがカネカに取材したところ、やはりホームページの育休に関する説明ページを削除した疑惑について否定したようです。
カネカの広報は、
「全くの誤解。ウェブサイトのリニューアルで当該ページを削除したのであって、今回の件を受けて削除したものではない」
としています。
パタハラ疑惑に関するカネカの説明
またカネカ広報は、日経ビジネスの取材に対してパタハラ疑惑そのものについて、実際にそのようなことが起こったのかという質問には「現時点では答えられない」、事実だとすればパタハラにあたるかという質問にも「仮定の話には答えられない」などと言を左右にしました。
カネカIR・広報部は日経ビジネスの取材に対して、以下のように答えている。
男性社員に育児休暇復帰後2日で転勤辞令を出した事実はあるか、との質問に対しては「ツイッターでの一連の議論は承知しているが、発言の主は当事者の妻であると推定され、かつ当社と断定して発言しているわけではないので、現時点では事実の有無も含めてコメントできない」とし、事実があった場合は「パタハラ」に当たるのかとの質問には「仮定の話には答えることができない」とした。
また、男性が上長から「有給休暇の申請を断られた」という事実はあるかとの問いに対し「事実を確認しているが、これも当事者が当社の社員であるとはっきりするまでコメントできない」としている。
社員への弁明メール
育休復帰、即転勤で炎上中のカネカ。同社の角倉護社長は社員に向けたメールで転勤内示の事実を認めた。全文を公開する。#カガクでネガイをカナエル会社 #カネカ #育休 #育児休暇 #転勤 #内部メール #日経ビジネスhttps://t.co/WgwmSYzmIr
— 日経ビジネス (@nikkeibusiness) 2019年6月4日
日経ビジネスやハフポストによると、カネカは3日中に社長の角倉護から社員宛てに、今回の炎上に関するメールが出されたということです。
日経ビジネスは「複数の同社社員が認めた」としています。
メールの内容はツイッターで炎上したことで出回っている情報について「正確性に欠ける」としています。
一方で(該当の元社員かは分からないものの)「育児休業休職直後に転勤の内示を行ったことがある」ということは認めており、しかしその理由は対象社員に対する「『報復人事・見せしめ』ではない」としているようです。
メール全文は次のようなものだと報じられています。
2019年6月3日
社員各位
社長
昨日6月2日より、SNS上に当社に関連すると思われる書き込みが多数なされていますが、正確性に欠ける内容です。
育児休業休職直後に転勤の内示を行ったということはありますが、これは育児休業休職取得に対する見せしめといったものではありません。
十分な意思疎通ができておらず、着任の仕方等、転勤の具体的な進め方について当該社員に誤解を生じさせたことは配慮不足であったと認識しております。
春の労使協議会でも述べたとおり、「社員は最も重要なステークホルダー」であります。
今回のような行き違いを二度と発生させない様、再発防止に努めます。
以上
批判の声
しかしこのメールに対しても批判の声があり、またメールがすぐ流出したことで社内の不満などを推測させてしまい、炎上は収まる気配がありません。
#カガクでネガイをカナエル会社 の問題が100%事実だとして、
マイホーム購入→転勤はまあそこそこ聞く話で当事者は大変だと思うけど問題はない。
言い訳メールが表に出てるけど、問題なのは有休30日の消化をさせず、退職日を決めた事。
転勤の方じゃ無いって分かってるのかな?— うりっこ (@urikko3) 2019年6月4日
え、社長が企業統治にしゃしゃり出るとか、中小企業じゃあるまいし。日経ビジネスのメールが本物だとしたら、ガバナンスがガバガバやん、、、つか肩書きしか書かんってこれ本当に社長が書いたんか?無能な部下に書かせたんちゃうか?#カガクでネガイをカナエル会社#ガバガバガバナンス
— なんちゃらコンサル(男性不妊治療なう) (@PoFnRzd3uheEyS8) 2019年6月4日
カネカ続報、「即転勤」認める社長メールを入手 https://t.co/IIwVcgvIX7
見えます、見えます。
社内システム課に偉い人が怒鳴り込んできて
「このメールを社外に転送した人を洗い出せー!」
と言ってる姿が見える。
そしてこの希望だとそのトレースぐらい出来るログ残ってるからヤベエゾ。— 倉橋皐@TFTへ出発 (@kurahasi1) 2019年6月4日
社内メールをこの素早さで外部流出させた人がいたわけだから、社内に不満溜めている人が他にもいるんだろうなーと思うなど。しかしカネカの自ら窮地に飛び込んでいくスタイル、見事としかいいいようがないな。 / “カネカ続報、「即転勤」認める社長メールを入手” https://t.co/pZpGyCxxEV
— 城伊景季 (@white_cake) 2019年6月4日
カネカ、待遇や働き方の不満持ってる社員山ほどいるでしょこれ。即座に社長メール流出ってwwwhttps://t.co/rqhRPoK2gE
— LovelyBabyboo (@BabybooLovely) 2019年6月4日
これは凄い。
日経ビジネス本気出してる。
何で大企業の炎上初動対応ってこうなっちゃうんだろうなぁ。
身内と外部を分けて考えすぎ:カネカ続報、「即転勤」認める社長メールを入手:日経ビジネス電子版 https://t.co/7mKnfMdFAh
— 徳力 基彦(tokuriki) (@tokuriki) 2019年6月4日
この件で日経ビジネスがいい仕事してる。中途半端に自己正当化した情報を社内に流しても外に出てしまうものですよね。
カネカ続報、「即転勤」認める社長メールを入手 https://t.co/OTdjehKG32
— Masahiro Ito/伊藤雅浩🍀 (@redipsjp) 2019年6月4日
以上です。