アントニオ猪木の「貴乃花対日本相撲協会」騒動に関するコメント

アントニオ猪木が東スポの紙面でインタビューに答え、特にスポーツ界を中心とした2018年の出来事を総括している。

中でもとりわけ、日本相撲協会との対立、協会からの退職、夫人との離婚という流れに至った貴乃花騒動に関して語っていることは興味深い。

アントニオ猪木が語る貴乃花騒動

アントニオ猪木は貴乃花を「純粋」と評して、その行動を「純粋に協会を改革しようとした」と表現している。その部分で、プロレス界での自分の姿を重ねて理解できるところもあるようだ。

ただし結局、問題は「数」であって、その多勢に無勢を覆すような「策が必要だった」とも語っている。

ちょっと可笑しいのは、猪木が相撲がインターナショナルになっていくのだから、国技という枠にはめず、外国人力士は1部屋に1人という制限は撤廃すべきではないかと述べていることだ。

それは外国人力士を毛嫌いしたとされる貴乃花とは真逆の発想ではなかろうか。

もっとも、そういう細かいことは気にしないことこそ、猪木のチャームポイントだ、と私は思うことにする。

感想など

私が貴乃花騒動を見ていて思うのは、日本人は貴乃花に対して夢を見過ぎているのだろうということだ。

どんな場合であれ常に貴乃花の味方として発言していた立川志らくなど、その典型的な例だ。しかも、如何にも斜に構えて、冷めた風の志らくのような者が、特に深く夢を見ているというのが面白い。

ただし、私にもそういう気持ちがまったく分からないとは言わない。なぜなら、私もかつてそういう気持ちで一連の騒動を見守っていたからだ。

しかし自分で調べるうちに、我々多くの日本人、特に貴乃花の味方をする人たちが一連の騒動や貴乃花という一人の人間の中に見たがっているものと、実際にそれらが持っている内容とが、微妙に食い違っているような感じがして、私は徐々に夢から覚めていった。

貴乃花という人の現役時代の振る舞いに関しては、私以外の人もそう思っているであろうように、100%、どころか120%、非の打ちどころがないものだと思う。

しかし、それと協会の改革や貴ノ岩と日馬富士の騒動はまったく別の問題だし、あるいは裏返せば、現役時代の振る舞い以外の点では、私は貴乃花という人を何一つ信用しない。

苦労もいい実を結ぶ場合もあれば、あまりに強い圧力でその人の性根をへしまげて、悪い影響をもたらす場合と、両方あるような気がする。

私は、貴乃花が力士として現役の時に重ねた苦労や、協会との軋轢によって重ねた引退後の苦労は、悪い影響をもってしまったのだと思えてならない。

彼がもし本当に彼を信じ続けた人たちが思うような立派な人間であれば、貴ノ岩がどうしてあのような現役生活の終わり方を迎えなければならなかったろうか。また、どうして息子が伝えられるような窮状に陥るだろうか。

彼が育てた人間を見れば、彼が本当にそれほど立派な人間なのかどうか分かるのではないだろうか。

それを未だに夢から覚めず、「不肖の息子(あるいは弟子)を持って可哀想だ」と思う人は、あまりに深く夢を見過ぎていると私には思える。

プロレスラーと政治

何だかアントニオ猪木について、さわりだけ利用してほとんど無視するような形になってしまったようで申し訳ない。

私も多くの人と同じように(大ファンということではないものの、どちらかといえば)猪木のことが好きだ。

プロレスラーにはなぜかそういう人が多いが、とりわけ、政治に携わった時に独特の存在感を見せられるところは面白いと思う。

プロレスラー出身で政治に携わった人といえば、馳浩、大仁田厚、アントニオ猪木といった面々が思い浮かぶが、他のスポーツ競技に比べてプロレス出身者と政治の相性が良いのは、良くも悪くも双方ともに表裏のある職業だからではないかと思う。

つまり他のスポーツ競技の出身者では、実直すぎるせいで務まらないのではないだろうか。

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