強い結束を誇るといわれた半グレ集団・準暴力団の「怒羅権(ドラゴン)」だが、2017年ごろから分裂騒動が起きているという話が聞かれ出した。
いったい「怒羅権(ドラゴン)」はなぜ分裂したのか、組織のトップとされた馬場義明はそこにどのように関わっているのかを調べた。
怒羅権の分裂と馬場義明の関係は?
怒羅権の分裂には2009年ごろから約8年間、組織のトップに君臨したとされる馬場義明が深く関わっている。
馬場義明は怒羅権のメンバーで元住吉会系の組員。
2011年12月14日には東京の六本木のキャバクラで山口組系組員を4名を20名ほどで襲撃、2013年にその事件の主犯格として関東連合元メンバーら3名とともに逮捕されている。
下の動画は「2017年怒羅権ドラゴン馬場義明拳銃実弾所持で逮捕」というタイトルだが実際は2013年の逮捕時の動画。馬場義明は当時32歳。
分裂の原因は20億の金
そして怒羅権分裂の根本の原因は金だとされている。怒羅権はオレオレ詐欺や還付金詐欺、未公開株詐欺などの特殊詐欺、違法薬物の売買、キャバクラ経営、企業恐喝などで推定20億もの金を稼いだとされる。
その巨額の金をめぐり、組織のトップである馬場を追い落として大金を横取りしようという動きが活発化。疑心暗鬼になった馬場義明は、ついに組織のナンバー2で昔からの友人だった人物をも疑うようになる。
そんな中、2016年に怒羅権のナンバー2を狙った拳銃襲撃未遂事件が起こる。馬場義明はその日のうちに出国し、そのことで組織の中で完全に犯人であると見なされる。
関係者Aは「20年間つるんで、2度も一緒にムショに入ったマブダチを疑うなんて、どうかしている。Bを襲撃したのはXで決まりでしょ。オレらの間で、同じ日に出国したのは偶然なんて言い訳は通じない。ガキじゃないんだから」と述べている。
馬場は怒羅権のコアなメンバーが集まった話し合いにも現れなかったために、同関係者は「要するに逃げた」「その証拠に今は名字を変えている」と言っている。
ちなみに馬場が変わった名字とは「大東」である。
2017年の3月には、東京・六本木の理髪店で馬場を慕う怒羅権幹部が、目出し帽のヒットマンに白昼堂々射殺されそうになるという事件まで勃発した。
馬場義明は銃刀法違反で逮捕
そして2017年の7月24日、馬場義明(大東義明)は、その年の5月に東京・江戸川区の公園に銃2丁と実弾を隠し持っていた銃刀法違反(加重所持)の疑いで逮捕された。
これも馬場に対抗する勢力が警察に情報をリークしたことが原因と見られている。
馬場はさらに2018年2月8日にも、今度は群馬県みなかみ町の車の中で拳銃1丁と実弾12発を隠し持っていた疑いで逮捕されている。
分裂後の「怒羅権」は?
これで「怒羅権」内での馬場義明(大東義明)の権力は完全に失墜したと見ていいかもしれない。
しかし続報がないために、現状の「怒羅権」がどのようになっているのか、そこから幾つかのグループに分かれたのか、あるいは新しく強力な統率力・権力を持つリーダーが現われたのかは分かっていない。