コインハイブ事件の神奈川県警の取り調べ音声は?

仮想通貨「Monero」(モネロ)のマイニングを行うツール、コインハイブ(Coinhive)に絡んで、あるブロガーが警察に取り調べを受けた際の音声の一部が公開されている。

このコインハイブ事件の経緯や音声動画、取り調べをした神奈川県警について調べてみた。

コインハイブとは?

事件の当事者となったのは、デザイナーで「doocts」(ドークツ)というブログを運営しているモロ氏。

まず「doocts」で、コインハイブとは「HTMLに数行のJavaScriptを埋め込むことでユーザーのブラウザからCPUを動かし、仮想通貨『Monero』のマイニングを行うツール」と説明されている。

私もPCやWEBにまったく詳しくないのだが、要するにコインハイブとは「サイト・ブログを見に来てくれた人が自動的に仮想通貨を採掘してくれる」システムであるらしく、その最大のメリットとは、広告の一切を(あるいは一部を)排除してブログ・サイトを収益化できる、ということである。

コインハイブで収益が上がるならば、閲覧者の邪魔になる広告を、収益のために無理に表示する必要がなくなる、ということだ。

コインハイブ事件とは?

モロ氏は自身のブログで事件までの経緯をこのように説明している。

  • コインハイブを知り、導入してみる(2017年9月下旬)
  • コインハイブ運用
  • コインハイブを削除(11月上旬)
  • 警察から連絡が来る(翌2018年2月上旬)

細かく言えば他にも、コインハイブの紹介記事を書く、別のエンジニアから「(あなたのサイトのコインハイブは)グレーでは?」という問い合わせが来てそれに答え、「(閲覧者に)同意を得る方向で動く」と答える、ということもあったらしい(そこから色々考えたがやっぱり削除することに決めている)。

ちなみに、コインハイブの一か月以上の運用で、収益自体は1,000円にも届かなかったという話だ。

そして結局、モロ氏は警察の連絡を受けて以降、次のような目にあう。

  • 家宅捜索とネットワーク機器全押収
  • 警察で取り調べ
  • PC全データ削除の上返還
  • 検察で取り調べ
  • 罰金10万円の略式命令

モロ氏は神奈川県警によって、「不正指令電磁的記録 取得・保管罪」、通称「ウイルス罪」に当たるとされた。

神奈川県警に限らないかもしれないが、担当の警察官はそれほどPCやネットに詳しくなく、説明されたのは「事前に許可(もしくは予感させること)なく他人のPCを動作させたらアウト」ということだったという。

しかしそれでは広告のアドセンス、アクセス数を測定するアナリティクスといったサイト運営では基本的なものも含め、あまりに広範囲のものがアウトになってしまう。

モロ氏は警察の取り調べが結婚式と重なってしまったせいで相当精神的に疲れたらしいが、結局、悪しき前例となってはいけないという思いから裁判をすることにしたという。

既に1月から裁判は開始されており、2月18日には最終弁論、3月には判決が出る。

仮想通貨マイニング(Coinhive)で家宅捜索を受けた話(モロ氏ブログ)

神奈川県警の取り調べ音声動画

モロ氏は取り調べの音声を録音していたらしく、それが今回公開された。

ブログから引用すると、この部分の会話。

男「モロさんよォ? 反省してんのか?(入室)」
僕「!?」
男「お前がやってることは法律に引っかかってんだよ! わかんだろ?」
僕「え、それは」
男「反論してんじゃねぇよ! 引っかかってんだよ、法律に」
僕「……」
男「だから警察がガサやってんだよ! お前がどう思おうが関係ねえんだよ。わかるか?」
僕「はい……」
男「結婚して奥さんもいるんだろ? またやんの!?」
僕「やらないつもりです……」
警察「やんねぇだろ。だったらちゃんと反省しろよ(退室)」

引用:doocts

「コインハイブ事件」
Coinhive(コインハイブ)事件、神奈川県警の取り調べ音声

問題の音声の警察官が来る前に、他の捜査官は「『今日はあの人が来てるから』と、厄介なOBを警戒する部活動生のようなやりとりをしていた」という(ねとらぼの記事による)。

これはネット上ではモロ氏を脅かすために打った芝居と解釈する向きもあるようだが、実際に警察官の中でも強引なことで悪評が立っているという解釈もできる。

神奈川県警の新たな不祥事?

しかし神奈川県警は昔から評判が良くなく、古くはオウム真理教の坂本弁護士一家殺人事件の捜査の失敗をはじめ、身内から幾度も逮捕者を出すなど、近年まで不祥事が連続している。

Wikipediaには「神奈川県警察の不祥事」、NAVERまとめには「もはや名物?神奈川県警の不祥事」というページがあるほど。

今回の件もその一つに加わってしまったかもしれない。