雨上がり決死隊がMCを務める人気バラエティー番組の「アメトーーク!」で、4月18日に放送された「相方やさしい芸人」放送後、大坂の西成地区や西成高校についてお詫びするメッセージが表示されたことが話題になっています。
お詫びのメッセージは2月14日に放送された「高校中退芸人」内で、大坂の西成について誤解を招くような差別的表現があったとしています。
そして「高校中退芸人」に出演した大坂の西成出身の芸人とは誰なのか、調べたところお笑いコンビ「ソノヘンノ女」の「とも」さんのようです。
アメトーーク!が西成への差別表現を謝罪
放送されたお詫びの文は次のようなものでした。
西成ww#アメトーーク pic.twitter.com/6KZyxaegMW
— ネオTOKIO (@NEO_TOKIO) 2019年4月18日
西成について「事実と異なる内容や差別的な表現がありました」
それによって「問題のある学校や地域であるとの間違った印象を与えてしまいました」
そして「ご迷惑とご不快をおかけしました」とお詫びしています。
番組からのお詫び
アメトーーク!は公式のホームページでもこのようにお詫びしました。
アメトーーク!高校中退芸人の西成高校・西成地区出身芸人は「ソノヘンノ女」とも
そして「高校中退芸人」に西成高校出身芸人として出演したのは女性お笑いコンビ「ソノヘンノ女」の「とも」さんでした。
2月14日23時20分〜
テレビ朝日📺アメトーーク!に
出させてもらいます😭
制服まで着せてもらいました!
是非ご覧ください💫 pic.twitter.com/MXoLY8H946— ソノヘンノ女 とも (@nTOMOn) 2019年2月12日
ソノヘンノ女 とも
ともさんのプロフィールを簡単に紹介します。
生年月日 1990年11月10日(当記事執筆時28歳)
出身地 大阪府
血液型 O型
身長 151cm
事務所 グレープカンパニー
ともさんはかつては「仲村ともみ」名義でグラビアアイドルをしていたこともあります。
最初は吉本興業に所属し、NSC大阪の女性タレントコース6期生を経て、小嶋佐紀と虹色ポッケというコンビを組んでいました。
2014年12月に解散後、2016年に元天然ピエロのはっしー(羽柴麻以)とお笑いコンビ『ソノヘンノ女』を結成して現在に至ります。
『ソノヘンノ女』
左が相方のはっしーさん、右がともさん。
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ソノヘンノ女とも「高校中退芸人」出演動画
ともさんの「高校中退芸人」出演動画がありました。
んでこれが2/14の放送
西成なんかだいたいこんなんちゃうんけ pic.twitter.com/PHKV4Hch9h— えばらこういちろう☆ (@ebara5kouiti6) 2019年4月18日
西成高校のエピソード#アメトーク pic.twitter.com/yqUQXm2GDs
— ペンギン@界隈屈指のサイドカット二スト (@th9penguin) 2019年4月18日
問題とされた発言
というわけで、問題とされたであろう「とも」さんの発言としては、
- 「窓がガラス素材でない理由は、ガラスだと割る人が多いから」
- 「椅子が机とつながっている理由は投げられないようにするため」
- 「トイレットペーパーを盗む人がいるので職員室に行かないともらえなかった」
といったものが問題とされたようです。
これらは「不良生徒の対策だとしたことについては番組側の確認が足りず事実と異なっていた」という微妙な表現で謝罪されています。
また「当時9クラスあった学年が卒業時には5クラスになった」という発言もあったそうで、それは明確に事実誤認であるとされました
加えて司会の雨上がり決死隊の宮迫さんが「学生のころ、そっち方面は行かんとこうとみんなで言ってました」という発言をしているのが、お詫び文にある「行かない方がいい地域」という「差別的な表現」として受け取られた可能性があります。
事実誤認
丁寧にお詫びの文を読んでみると、
「窓がガラス素材でない理由は、ガラスだと割る人が多いから」
「椅子が机とつながっている理由は投げられないようにするため」
「トイレットペーパーを盗む人がいるので職員室に行かないともらえなかった」
これらについては「不良生徒の対策だとしたことについては番組側の確認が足りず事実と異なっていた」とされています。
それなら、「窓がガラス素材でない」「椅子が机とつながっている」「トイレットペーパーは職員室に行かないともらえなかった」というのは事実であり、その理由が「不良生徒対策」という点だけ間違い、という風にも解釈できます。
はっきり事実誤認とされているのは「当時9クラスあった学年が卒業時には5クラスになった」ということだけです。
「高校中退芸人」の放送は2月14日、(ハフポストの記事によれば)西成高校が抗議をしたのは3月10日過ぎ、番組がお詫びしたのは4月18日とそれぞれタイムラグがあります。
番組側もまったくのデマを報じたわけではないという思いもあって、西成地区関係者と折れ合う表現を見つけるために苦心したのかもしれません。
番組担当者は直接西成高校を訪ねて謝罪したとのことです。
最後に
ネット上では「高校中退芸人」で放送されたような西成について情報は、けして間違ったイメージではないという意見もありました。
たしかにこうした差別表現をめぐる抗議に関して、しばしば解せない思いをすることもあります。
しかし「高校中退芸人」では、他の高校名はほとんど伏せられていたのに、西成についてだけはっきり名前が放送されたといいますから、やはり問題ではないでしょうか。
例えば、「あまり治安が良くないとされる某地区の高校出身」といった表現でぼかしたなら、これほど問題にはならなかったでしょうし、大坂の西成は東京の山谷同様有名ですから、見る側にもほとんどの場合「ああ、あそこ(西成)のことか」とちゃんと伝わったでしょう。
バラエティとしての面白さをそれほど損なわず伝える方法もあったのに、そのような微妙な工夫なしに番組関係者が「西成ならいいだろう」という軽い気持ちで名前を出したとしたなら、やはり咎められても仕方ないのかもしれません。