明石市長の暴言全文は?泉房穂市長を擁護する声が増えた理由

立ち退き工事の案件で「火をつけてこい、燃やしてしまえ」などのパワハラ暴言によって批判され、謝罪した明石市長・泉房穂氏ですが、暴言には続きがあったことが明かされたことで擁護の声が増えています。

事件と報道の経緯について調べてみました。

明石市長の1月29日の謝罪会見

泉市長は1月29日午前に市役所で記者会見を開き、「(発言は)パワハラであるだけでなくさらにもっとひどいものだと受け止めている」「非常に激高した状況で口走ってしまったセリフ。申し訳なく思っている。まさに自分のセリフ。弁明の余地もない」と反省の弁を述べました。

職員に暴言 泉房穂明石市長が会見

暴言を吐いた理由については「現場で交通事故が起き、早く交渉してほしいという趣旨だった」、暴言を浴びせた職員については「激高した状態で暴言を吐いてしまい、申し訳なかった」と述べました。

被害の職員には前日の28日に謝罪したという話です。

また辞任の意向は示さず、進退に関して「2カ月後に統一地方選挙が迫っている状況なので、今回のこの一連の事も含めて明石市民の皆さんにご判断を仰ぎたいと思っている」と述べています。

明石市長の暴言全文

暴言の全文を報道したのは神戸新聞。

神戸新聞の記者は「他社がどういうデータを入手したのかはわからないし、短いものしか入手できなかった可能性もある」として他社への批判は避けつつ、「言葉尻だけを切り取って伝えると、報道としての公平さを欠く」という考えから暴言の全文を公開しました。

暴言の全文はこちら。太字は特にメディアで注目されている箇所。

職員「(立ち退き対象だった建物の)オーナーの所に行ってきた。概算で提示したが、金額が不満」

市長「そんなもん6年前から分かっていること。時間は戻らんけど、この間何をしとったん。遊んでたん。意味分からんけど」

職員「金額の提示はしていない」

市長「7年間、何しとってん。ふざけんな。何もしてへんやないか7年間。平成22(2010)年から何しとってん7年間。金の提示もせんと。楽な商売じゃお前ら。あほちゃうか」

職員「すいません」

市長「すまんですむか。立ち退きさせてこい、お前らで。きょう火付けてこい。燃やしてしまえ。ふざけんな。今から建物壊してこい。損害賠償を個人で負え。安全対策でしょうが。はよせーよ。誰や、現場の責任者は」

職員「担当はおります。課長が待機していますが」

市長「上は意識もしてなかったやろ。分かって放置したわけやないでしょ。任せとっただけでしょ。何考えて仕事しとんねん。ごめんですむか、こんなもん。7年間放置して、たった1軒残ってもうて。どうする気やったん」

市長「無理に決まっとんだろ、そんなもん。お前が金積め。お前ら1人ずつ1千万円出せ。すぐ出て行ってもらえ。あほちゃうか、そんなもん。ほんま許さんから。辞表出しても許さんぞ。なめやがって。早くやっとけばとっくに終わってた話を。どないすんねん。悠長な話して。たった1軒にあと2年も3年もかけんのか。何をさぼってんねん、7年も。自分の家売れ。その金払え。現場に任せきりか。担当は何人いるの」

職員「1人しかいません」

市長「とりあえずそいつに辞めてもらえ。辞表とってこい。当たり前じゃ。7年分の給与払え。辞めたらええねん、そんな奴。辞めるだけですまんで、金出せ金も」

職員「担当は今は係長。この間係長は3回替わった」

市長「何やっとったん、みんな。何で値段の提示もしてないねん」

職員「値段は概算を年度末に提示している」

市長「概算なんか意味ない。手続きにのらへんやないか」

職員「市長申し訳ありませんが、(の分は)予算は今年度でつんでいる。前年度は予算ついていないんで、概算しか」

市長「ついてないってどういうことよ」

職員「他の地権者の分、とってますから。丸ごと全事業費は1年間でどーんと付けられない」

市長「見通しわかっとったやろ。ややこしいの後回しにして、楽な商売しやがって」

市長「ずっと座り込んで頭下げて1週間以内に取ってこい。おまえら全員で通って取ってこい、判子。おまえら自腹切って判子押してもらえ。とにかく判子ついてもらってこい。とにかく今月中に頭下げて説得して判付いてもうてください。あと1軒だけです。ここは人が死にました。角で女性が死んで、それがきっかけでこの事業は進んでいます。そんな中でぜひご協力いただきたい、と。ほんまに何のためにやっとる工事や、安全対策でしょ。あっこの角で人が巻き込まれて死んだわけでしょ。だから拡幅するんでしょ。(担当者)2人が行って難しければ、私が行きますけど。私が行って土下座でもしますわ。市民の安全のためやろ、腹立ってんのわ。何を仕事してんねん。しんどい仕事やから尊い、相手がややこしいから美しいんですよ。後回しにしてどないすんねん、一番しんどい仕事からせえよ。市民の安全のためやないか。言いたいのはそれや。そのためにしんどい仕事するんや、役所は

引用:神戸新聞

擁護の声が増加

暴言についての最初の報道がなされると、30日までに明石市役所には市民から1217件の意見が殺到しました。暴言の全文が報道される前日の29日は385件の意見が寄せられ、約9割が市長に対して批判的な意見でした。

ところが神戸新聞が29日に暴言の全文を公開すると状況は一転、30日に寄せられた832件の市民の声のうち、半数は市長を擁護・肯定する意見に変わりました。

拡幅工事について

暴言の切っ掛けとなったのは、明石駅の南にある明石駅前交差点の道路拡張工事の遅延の原因になっていた用地買収です。

この場所は4車線の道路が交差点を挟んで2車線と急激に幅が狭くなっており、渋滞の慢性化と交通事故多発の原因となっていました。

この場所での交通事故の件数は、2002~2006年までの5年間で42件であり、2008年と2015年には死亡事故も起きています。

2010年に国交省・近畿地方整備局が拡幅工事を決定し、2012年に明石市が用地買収に着手。当初36件あった用地買収は、暴言のあった2017年6月時点では、条件面で折り合わず、所有者が立ち退きに応じていないビル1棟を残すのみとなっていました。

被害職員の談

被害職員は「当初より3年、事業が遅れており、責任を痛感している」とする一方で、「暴言当時、交渉はあと一歩の所まできており、怠慢でなかった」としています。

被害職員の説明では、

  • 1カ月に1回以上は地権者と交渉
  • 概算額は提示していた
  • 市長暴言の2017年6月は契約前の最終段階だった

とのことです。

該当の一軒は「住み慣れている」「権利関係が複雑」などの理由で立ち退きが遅れていました。

別の職員は厳しい叱責の理由について、「(正式書面での)金額提示をしていないことを、全く着手していないと思い込んだのではないか」としています。(参考:神戸新聞

泉市長は以前から、環境保護イベントでの「税金の無駄遣い」という発言で謝罪したり、兵庫県について自虐的なPRをする動画への抗議、成人式で唐突に新成人に「皆さんの態度はなってない」と発言するなど、「舌禍騒動」が取沙汰されていました。

今回の件も、そのような泉市長の性格に由来するものなのではないかと思えます(参考:神戸新聞)。

流出の経緯の不明瞭さ

この暴言パワハラ騒動で一部で問題とされているのが、流出の経緯が不明瞭であるということです。

該当の暴言音声データ流出は、当初は怒られた職員による報復行為かと思われましたが、マスコミは「明石市の関係者から入手した。怒られた職員ではない」としています。

テレビ番組「スッキリ」の報道によると、

  • 録音したのは被害職員ではない
  • 暴言は最初の5分で、その後20分話し合って和解している
  • 録音されたのは1年以上も前(2017年6月)。

ということです。

明石市では4月に市長選を控えているという事情から、この時期に一年以上前の録音データが流出したことについて憶測を呼ぶ可能性があります。

4月の市長選では3選を目指す現職の泉市長に加え、前職で現兵庫県議の北口寛人氏が出馬する予定です。

明石市長暴言まとめ

こうした後追い報道がなされると、唐突に悪→善という極端な印象の変化が起きがちですが、事件や人物は総体的に判断すべきであり、明石市長にはこのような問題を起こしてしまいがちな性格であることは間違いないようです。

明石市長は以前から舌禍騒動が何度か取沙汰されており、怒りに火がつくとなかなか抑制できない激情型の人であるように見えます。

しかし以前の環境イベントでの「税金の無駄遣い」発言は当人に対して謝罪しており、また今回の件でも騒動になると素直に謝罪するなど、根本的にはやはり悪意はないのだろうとも思えます。

謝罪会見で泉市長本人が述べたように、やはり最終的な事件への評価は選挙民に委ねるのが最善であるようです(→後日辞職してしまいましたね。次の選挙に出るのかどうか注目です)。

以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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