この2019年に入って、立て続けに飲食チェーン店を中心としたバカッター事件、ネット炎上事件が起きている。
以前起こったことがまた掘り起こされる例もあるとはいえ、まだ今年に入って二ヶ月も経っていない内にこれほど立て続けにというのは異常な状況と言える。
ここでは備忘録もかねて、2019年にこれまで起きたバカッターやバカスタグラム事件をまとめてみた。ただし並んでいる順は正確に炎上した順に並んでいるわけではなく、前後することもあるかもしれない。
またその際、ネット上で人物が特定されているかどうかにも言及する場合もあるが、晒すことが目的ではないので具体的な人物名などは伏せる。
2019年のバカッター・バカスタグラム炎上動画
すき家
今年に入ってはじめて炎上したバカッター動画。高校生バイトだったらしく、氏名や通っている学校も含めて人物は特定されてしまった。
1月21日にインスタグラムの24時間で消えるストーリーズ機能で投稿されたものが、ツイッターに転載されてあっという間に拡散・炎上した(この炎上パターンは多い)。
1人の店員が氷を投げる、別の店員がお玉を股間に当てる、という内容。
表示されている「くびかくご」というテロップも余計に物議をかもし、「クビどころではない」という声が多く上がった。
店員は1月29日付で退職処分となった。
箕輪町やばいねpic.twitter.com/xQIghYyrAz
— 布施ちゃずけ! (@nazonoCl) 2019年1月29日
すき家の炎上店員に損害賠償はあるのか?店舗や店員も特定済み?
くら寿司
何日から拡散され始めたか分からないが、くら寿司の謝罪は2月6日なので、その1日2日前からということだろうか。
くら寿司の店員が魚をさばいてからゴミ箱に入れ、また出すという動画。
「き〇がいではないって」というテロップが表示されている。
くら寿司のバイトは平アルバイトの上に各持ち場のリーダーであるセクションリーダー、その上にバイトリーダーと身分が上がっていくが、問題の店員が平ではなくセクションリーダーだったことも話題になった。
またくら寿司側がはっきりと「法的措置を取る」と宣告したことでも話題になっている。
ビッグエコー
カラオケチェーンのビッグエコーで、唐揚げを床にこすりつけてから揚げているような動画。
ただしこれは昨年(2018)の12月に起こって、既にビッグエコーは謝罪していたのだが、もう一度掘り起こされてしまったという点では少し気の毒。
2月7日にビッグエコーはあらためて経緯を説明して謝罪している。
再投稿した人は既に謝罪済みだったことを知らなかったらしく、「むし返す形になってしまって申し訳ない」とテレビ番組・モーニングショーの取材に対して話したらしい。
これがもう一つ異質なのは、表に出てからかなりの時間が経っているのに、ビッグエコー内・ネット上も含め、人物が未だに特定されていないということ。
そのために、他と違って「実はライバル店がビッグエコーを潰すために仕掛けた工作なのでは?」などという噂も出ているほど。
たしかに他のバカッター動画では撮影される者も撮影する方もはしゃいでおり、名札や顔を隠さず、無防備であるために人物が特定しやすいというのがバカッター動画の特徴だが、このビッグエコーの動画だけは、やけに静かに、最初から最後まで無言で行動しているところが気になる。
はま寿司
この「はま寿司」のものは前出のくら寿司や他の店舗と違い、従業員によるものではなく、悪質な客によるものである。人物は特定済み。
考えようによっては、店員によるバカッター事件は「教育をしっかりしなかった店側も悪い」という理屈もあり得るが、客によるバカッター事件は、店に何の責任もないのに悪いイメージがつくという点で、一番気の毒なパターンかもしれない。
内容は流れてくる寿司にこっそりワサビを入れる、というもの。
バカッター事件ではふざけたテロップ表示がお馴染みだが、これにも「まずいっしょそれは」というテロップが表示されている。
ドミノピザ
女性店員がピザを食べながらピザを切り分ける作業をしている。
人物は特定されていない。人物が特定されていないのは、不衛生だが他の動画に比べれば比較的マシではあるために、ネット上の処罰感情が比較的ゆるいためなのかもしれない。
今度はピザ屋さんです…
呆れてモノも言えません…#拡散希望 pic.twitter.com/EQwwz2Vfjn— モヤシ【Rt2】【Mt1】 (@Kiminitodoke315) 2019年2月7日
セブンイレブン
セブンイレブンの店員がおでんのしらたきを口に入れてから吐き出す、その後で夢屋まさるの「パンケーキ食べたい」というネタ真似をしながら、タバコを次々に捨てる、という動画。
商品じゃないん?
いま、滅茶滅茶問題なってる言うのに終わったなこいつらも。 pic.twitter.com/O37GYNTTQp— ごん (@AcStjw8Bsigzx2c) 2019年2月7日
バーミヤンの店員
ここからは追記していったもの。キリがないので説明はなるべく端折る。
厨房でフライパンの火でタバコをつける店員。


ファミリーマート
商品をなめるファミマ店員。しかし商品は陳列するものではなく仲間のものらしい。
続けてこのようなものも。
焼肉屋(すたみな太郎に風評被害の動画)
これは当初「すたみな太郎」の店舗で撮影されたとして拡散された。
しかし運営会社は明らかに内装などの違いから、自分たちの店舗ではないと気付いたために静観していた。
ところがしばらくしてから「このような客を放置する店舗には行きたくない。どこの店舗か教えてくれ」という問い合わせが来るようになり、そのために否定して火消をしたという。
すたみな太郎の担当者はテレビ取材に対して、結局、この炎上動画のために三連休の売り上げが予測の5~10%下がってしまったと語っていた。
牛兵衛
セブンイレブン第二弾
大戸屋
ケンタッキーで客がクレーム
5月初旬頃。ケンタッキーフライドチキンで、タチの悪い客が「Wi-Fiが繋がらない」とクレーム、商品をタダで要求して、無料で受け取った。
ケンタッキーの動画消えたので再リツイート。
pic.twitter.com/OiKvM9UHSH— 炎上🚫迷惑動画@保管所 (@kichigai_doga) April 30, 2019
諫めようと思った友人がネットに挙げると炎上して、クレーム客は店に謝罪することになった。
吉野家で紅ショウガをまき散らす
なんで
君ら
ネットにあげてしまうん? pic.twitter.com/yQ3na71OJR
— 黒 (@aspirin69) May 7, 2019
陽キャさん、吉野家でテーブルに紅ショウガをバラマ撒いて遊んでしまう #炎上 #不適切動画 #陽キャ #吉野家 pic.twitter.com/9bobMYD3K9
— 時事ネタ速報 (@xZ4AnVtwMBUGf0m) May 7, 2019
2019年のバカッター・ バカスタグラム炎上事件まとめ
毎度のことだが、炎上事件が起こるとあっという間に人物が特定されることに驚く。
しかしたまに一時的な冤罪被害も起こるので、炎上当事者のことを調べる時は気を付けた方がいい。
もっとも、実際には「炎上当事者であればネット上に晒していい」ということではないはずなのだが、バカッター事件の炎上者に対する処罰感情は激しく、そんな気遣いをする人は滅多にいない。
またこのバカッター炎上事件には、飲食店ではないし、もう少し問題も微妙になるが、都立町田総合高校での教師による暴行動画も加えられるかもしれない。都立町田総合高校のSNSでの炎上事件が、2019年のSNS炎上の幕開けになったという気がする。




なぜバカッター事件は後を絶たないか?
いくらネット上に晒して処罰したところでまた同種の事件が発生する理由として、所詮ネット炎上の当事者たちは、自分たちの閉じられたコミュニティの中で生きており、世間的に大きな話題になるようなニュースのことなど知らないのだということが挙げられると思う。
その証拠は、炎上動画を見た者から必ず発せられる「何が面白いんだ?」という声だ。
炎上当事者たちは、身内のノリだけに閉じこもっているために、その動画内で行っているような悪ふざけが面白く感じられる。
そして身内のノリだけに閉じこもっているために、そうした動画がどの程度危険なのか、判断がつかなくなっているのである。
だからネット上で徹底して個人情報を晒して、同種の人間を牽制したつもりになったところで、その間、バカッター事件の当事者予備軍は仲間たちと盛り上がって内輪の面白話などでゲラゲラ笑っているだけだから、なかなか抑止力にならないということなのではないか。
要はバカッター事件予備軍は「バカッター事件当事者が、個人情報を晒されて罰せられた(ネット上でリンチされた)」ことすら知らないという可能性がある。
身内ノリだけで閉じこもっている者にすら届くほどの大きなニュースにしようと思うのなら、炎上当事者が追い詰められて自殺でもすればそうなるかもしれない。
しかし炎上事件だけでも憂鬱なのに、それに加えてそんな憂鬱なニュースなど聞きたくはない。バカッター事件の当事者には若年層が多い。中学校・高校ではスマホ・SNSの取り扱いについて今以上に丁寧に教えるべきだろう。